今日の為替市場ポイント:日米金利差拡大を意識してドル売り縮小の可能性
29日のドル・円は、東京市場では144円14銭から144円70銭まで上昇。欧米市場では144円15銭まで売られた後、144円90銭まで上昇し、144円80銭で取引終了。本日30日のドル・円は主に144円台で推移か。日米金利差の拡大を意識してドル売り・円買いは縮小する可能性がある。
報道によると、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は6月29日に行われた講演で「3月に生じた銀行部門のストレスが、利上げだけによる効果を上回る信用環境の引き締まりにつながる」と指摘したものの、「インフレ率はなお高すぎる水準にあり、2%の目標に戻るまでの道のりは長い」との見方を伝えた。パウエル議長は緩やかなペースの金利決定が続くと予想しており、債券市場は7月の追加利上げをほぼ織り込んだ。6月30日発表の5月コアPCE価格指数と来月発表される6月雇用統計の数値が市場予想とおおむね一致した場合、年内2回の追加利上げが実施される確率は一段と高まりそうだ。ただ、金利上昇は米国経済の様々な部分に多大な影響を与えることも予想され、景気の先行きについては予断を許さない状況が続くとみられる。
《CS》