話題株ピックアップ【夕刊】(1):エニマインド、高島屋、東テク

注目
2023年6月30日 15時14分

■エニマインド <5027>  1,508円  +198 円 (+15.1%)  本日終値

AnyMind Group<5027>が4連騰。この日、海外配送自動化プラットフォーム「AnyLogi」で、日本郵政<6178>傘下の日本郵便が提供する国際郵便サービスに対応し、EMS(国際スピード郵便)や国際eパケットなどの主要なサービスの送り状の発行を自動化する新機能の提供を開始すると発表したことが好感されている。新機能の提供により、ブランド企業やEC事業者はAnyLogiと自社ECサイトやECモールとのAPIを連携を行うことで、手軽に送り状、税関届出書、インボイスなどの必要な書類を発行することが可能になるという。これにより、効率的な配送プランを選択しやすくなるほか、送り状やインボイスの発行も容易になるとしており、利用層の拡大につながると期待されている。

■高島屋 <8233>  2,013円  +144 円 (+7.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

高島屋<8233>が切り返し急。株価は1800円台半ばから1900円台前半のボックス圏もみ合いを続けているが、上値抵抗ラインとなっている75日移動平均線をブレークできるかどうかが注目される。29日取引終了後、24年2月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の350億円から375億円(前期比15%増)に増額した。高額消費やインバウンド消費の復活で売上高が押し上げられ、経営構造改革に伴うコスト削減効果も発現している。足もとの業績が会社側想定を上回って好調に推移していることで、これを評価する買いを呼び込んだ。

■東テク <9960>  4,790円  +325 円 (+7.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

東テク<9960>は上場来高値を更新した。30日、23年3月期の連結決算の発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比6.6%増の1350億円、最終利益は同18.5%増の62億円と、前期に続き過去最高を計画する。年間配当は前期比20円増配の182円を見込む。子会社の東テク電工で実体を伴わない仕入取引の疑いがあり、特別調査委員会の調査などに時間を要したことから、決算の開示が遅延した。堅調な業況と増配の見通しが示され、買い安心感につながった。23年3月期の売上高は前の期比15.1%増の1266億9600万円、最終利益は同10.7%増の52億3000万円と、不正関連損失を計上したにもかかわらず大幅な増収増益となった。また、受注高は同19.3%増の1403億円、受注残高は同23.8%増の766億円となった。エネルギー効率の向上に対するニーズが拡大するなか、グループで供給する計装システムの需要が伸長し、受注拡大につながった。

■HEROZ <4382>  2,195円  +113 円 (+5.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位

HEROZ<4382>が大幅高で3日続伸した。この日、同社とポケモン(東京都港区)による特許の登録が明らかとなり、投資家の関心が向かったようだ。発明の名称は「プログラム、情報処理装置、ゲームサーバおよびゲームシステム」で、登録日は6月22日となっている。

■TWOST <7352>  1,507円  +55 円 (+3.8%)  本日終値

TWOSTONE&Sons<7352>が大幅高で3日続伸し年初来高値を更新。29日の取引終了後、エンジニアマッチングサービスを手掛けるTSR(東京都港区)の全株式を6月30日付で取得し子会社化すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の子会社化は、TWOST100%子会社のBranding EngineerとTSRのITエンジニアを双方の顧客に紹介することのできるクロスセルを実現するのが狙い。特にTSRは、22年2月にグループ化したTSRソリューションズと顧客層や得意とする技術領域において類似性があり、同領域におけるシナジーを見込むとしている。取得価額は4億3700万円。なお、連結上の取り込みは24年8月期からとなるため、同件による23年8月期業績への影響はないとしている。

■弁護士ドットコム <6027>  3,815円  +125 円 (+3.4%)  本日終値

弁護士ドットコム<6027>が3日続伸。29日の取引終了後、電子契約サービス「クラウドサイン」が岐阜県及び県内市町の計17団体に採用されることになったと発表しており、好材料視された。岐阜県内17の自治体による電子契約サービスの共同調達実施に伴い採用され、一部の団体を除き10月ごろの運用開始を予定しているという。岐阜県内では御嵩町が22年7月からクラウドサインの導入により電子契約の利用が進んでおり、契約にかかる費用の削減や事務作業削減に効果を発揮しているとしている。

■TBSホールディングス <9401>  2,622円  +48.5 円 (+1.9%)  本日終値

TBSホールディングス<9401>が反発。29日の取引終了後、総合教育事業を展開するやる気スイッチグループホールディングス(東京都中央区)株式の78.0%(議決権比率)を約287億円で取得し子会社化したと発表しており、好材料視された。やる気スイッチグループの教育ノウハウ・顧客基盤と、TBSのクリエイティブ力・コンテンツ制作力を掛け合わせることで、新たな知育・教育事業の共創を目指すという。また、JNNネットワークを活用したさらなる認知・ブランドイメージの向上と、全国における教室展開の拡大や両社のネットワーク・事業基盤を生かした教育コンテンツの海外展開なども見込む。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。

■レンゴー <3941>  885.9円  +15.6 円 (+1.8%)  本日終値

レンゴー<3941>が反発。29日の取引終了後、包装用フィルムなどを手掛ける子会社でトクヤマ<4043>との合弁会社であるサン・トックスが、三井化学<4183>子会社の三井化学東セロと24年4月1日をメドに経営統合すると発表しており、好材料視された。経営統合は三井化学東セロを存続会社とする吸収合併方式で行われる予定で、経営統合後にレンゴーが108億5000万円を三井化学に支払い、三井化学東セロ株の51%を取得して子会社化する。包装用ポリオレフィン系フィルムや発泡シートなどからなるパッケージソリューション事業を統合し、レンゴーの子会社とすることで軟包装事業に一層注力するのが狙いで、今後は環境対応型新製品の開発加速や海外での事業拡大を推進するとしている。

■デンソー <6902>  9,645円  +98 円 (+1.0%)  本日終値

デンソー<6902>が堅調。中部経済新聞は30日、トヨタ自動車<7203>が7~9月の向こう3カ月の車両生産計画を策定したと報じた。このなかで「3か月間の世界生産は、前年同期比10%増の計259万台程度に設定した」とし、「うち国内生産は26%増の計87万台程度と大幅に増やす計画だ」と伝えている。サプライヤーの生産増にも寄与するとの見方から、トヨタを主要取引先とするデンソー株の支援材料となったようだ。豊田自動織機<6201>やアイシン<7259>、豊田合成<7282>などもしっかり。フタバ産業<7241>、愛知製鋼<5482>が上昇している。

■ナガイレーベン <7447>  2,173円  -111 円 (-4.9%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

ナガイレーベン<7447>が安い。29日の取引終了後に22年9月~23年5月期(第3四半期累計)の決算を発表。純利益が前年同期比17.4%減の24億8000万円と大幅減益で着地しており、これが嫌気された。売上高は同3.2%減の131億8700万円だった。一部で価格改定の交渉に時間を要している影響が出た。営業活動の回復による販管費の増加や、前年同期に投資有価証券売却益を計上した反動なども響いた。通期見通しは据え置いている。あわせて、50万株(自己株式を除く発行済み株数の1.5%)、または10億円を上限とする自社株買いを発表した。

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