3日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は小幅続伸、追加利上げ観測が緩和
■NY株式:米国株式市場は小幅続伸、追加利上げ観測が緩和
ダウ平均は10.87ドル高の34,418.47ドル、ナスダックは28.85ポイント高の13,816.77で取引を終了した。追加利上げ懸念がくすぶり、ダウ平均は一時下落。一方、6月ISM製造業景況指数が3年ぶりの低水準に落ち込むと連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が緩和し、金利先高観の後退で買い戻され、ダウは再び上昇に転じた。独立記念日祭日の前日の短縮取引で動意に乏しいなか主要株価指数はプラス圏を維持して終了。セクター別では自動車・自動車部品や銀行が上昇した一方、ヘルスケア機器・サービスが下落した。
電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は値下げが奏功し4-6月期の納車台数が過去最多となったほか、生産台数が予想を超過、アナリストが同社の目標株価を引き上げたこともあり上昇した。同業のリビアン・オートモーティブ(RIVN)やルーシッド・グループ(LCID)も期待感からそれぞれ買われた。航空会社のサウスウエスト(LUV)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。銀行のJPモルガン・チェース(JPM)やウェルズ・ファーゴ(WFC)、シティグループ(C)はFRBのストレステストの結果を受けて増配を発表し、それぞれ上昇。一方で、携帯端末のアップル(AAPL)は複合現実(MR)ヘッドセット「ビジョンプロ」の社内生産目標を引き下げたとの報道が嫌気され、売られた。
イエレン財務長官は米中関係改善を目指し、6日から9日に訪中することが発表された。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:6月ISM製造業景況指数は予想外の悪化もドル反発
3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、144円88銭から143円99銭まで下落し、144円71銭まで戻して引けた。6月ISM製造業景況指数が5月から上昇予想に反して低下し、パンデミックによる経済封鎖直後の2020年5月来で最低に落ち込んだため景気後退懸念が強まり長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。その後、根強い連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測で金利が再び上昇すると、ドルの買戻しが強まった。
ユーロ・ドルは、1.0893 ドルから1.0934ドルまで上昇し、1.0911ドルで引けた。ナーゲル独連銀総裁が利上げ軌道において先は長いとのタカ派姿勢を表明しユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は157円33銭まで下落後、157円96銭まで上昇。米国の景気後退懸念にリスク回避の動きが優勢となったのちドイツ連銀総裁のタカ派発言を受けた日欧金利差拡大観測に伴うユーロ買い、円売りが強まった。ポンド・ドルは、1.2670ドルから1.2723ドルのレンジで上下に振れた。ドル・スイスは0.8998フランから、0.8953フランまで下落した。
■NY原油:弱含みで69.79ドル、一時69.69ドルまで下落
NY原油先物8月限は弱含み(NYMEX原油8月限終値:69.79 ↓0.85)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-0.85ドル69.79ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは69.69ドル-71.77ドル。ロンドン市場の序盤にかけて71.77ドルまで買われたが、米国市場ではドル高を意識した売りが強まり、一時69.69ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では70ドルを挟んだ水準で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.20ドル +0.51ドル(+1.78%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.41ドル +1.01ドル(+1.18%)
ゴールドマン・サックス(GS)326.61ドル +4.07ドル(+1.26%)
インテル(INTC) 33.62ドル +0.18ドル(+0.54%)
アップル(AAPL) 192.46ドル -1.51ドル(-0.78%)
アルファベット(GOOG) 120.56ドル -0.41ドル(-0.34%)
メタ(META) 286.02ドル -0.96ドル(-0.33%)
キャタピラー(CAT) 247.33ドル +1.28ドル(+0.52%)
アルコア(AA) 34.27ドル +0.34ドル(+1.00%)
ウォルマート(WMT) 158.20ドル +1.02ドル(+0.65%)
《ST》