話題株ピックアップ【夕刊】(1):霞ヶ関C、アスクル、川崎汽

注目
2023年7月5日 15時13分

■八千代工業 <7298>  1,387円  +204 円 (+17.2%)  本日終値

八千代工業<7298>が急騰。4日の取引終了後、ホンダ<7267>が連結子会社の八千代工に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株式を取得後にインドの自動車部品大手のサンバルダナ・マザーソン・グループに一部株式を売却すると発表した。買い付け価格は1株1390円で、八千代工の株価はTOB価格にサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は1190万9304株(下限390万4850株、上限設定なし)。10月頃の買い付け開始を目指す。TOB成立後、八千代工は上場廃止となる見通し。東京証券取引所は4日、八千代工を監理銘柄(確認中)に指定した。ホンダは八千代工から自動車用の燃料タンクやサンルーフなどの供給を受けてきた。八千代工がホンダ以外の自動車メーカーへの販路を拡大し、持続的な成長に向けた事業基盤を確保することが、自動車部品の安定調達に重要と判断した。

■霞ヶ関キャピタル <3498>  5,160円  +705 円 (+15.8%) ストップ高   本日終値

霞ヶ関キャピタル<3498>は大幅高、約6カ月ぶりに年初来高値を更新した。4日の取引終了後に23年8月期業績予想の上方修正を発表。あわせて、期末一括配当予想を50円から60円(前期30円)に増額することも明らかにしており、これらを好感した買いが入った。今期上方修正では売上高を265億円から360億円(前期比73.2%増)へ、営業利益を32億円から41億円(同91.5%増)へ引き上げた。アパートメントホテル事業、物流事業で案件収益の拡大や売却早期化などの影響があり、これが全体業績を大きく押し上げた。同時に発表した22年9月~23年5月期決算は、売上高が前年同期比65.7%増の184億6300万円、営業利益が前年同期の赤字から10億4300万円の黒字に転換して着地した。

■アスクル <2678>  2,313円  +253 円 (+12.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

アスクル<2678>は急騰。オフィス用品の通販で先駆し、eコマース事業ではヤフーと連携し需要を開拓している。4日取引終了後に発表した23年5月期決算は営業利益が前の期比2%増の146億2000万円で過去最高利益更新となったが、24年5月期についても前期比13%増の165億円予想と2ケタ成長で最高益更新基調が続く見通しで、これを好感する買いを呼び込んでいる。好業績を背景に株主還元も強化し、前期の年間配当は従来計画に2円上乗せの34円とし、今期もそこから2円増配となる36円を計画している。脱コロナでオフィス用品関連需要が復元しているほか、個人向けEC「ロハコ」が前期に初めて黒字化するなど回復色を強めている。

■川崎汽船 <9107>  3,899円  +206 円 (+5.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

川崎汽船<9107>が2008年6月以来約15年ぶりの高値圏をまい進。また、日本郵船<9101>、商船三井<9104>も上値追い態勢を鮮明としている。川崎汽についてはモルガン・スタンレーMUFG証券の投資判断引き下げを受け6月28日に急落した経緯があるが、そこを拾われる形でその後は切り返し急となり、足もとで急落前の株価を大きく上回ってきた。海運株セクターは低PBRのバリュー株として引き続き波状的な買いが入っている。これまではコロナバブル収縮によるコンテナ船市況の低迷を材料に空売りも高水準に呼び込んでいた。川崎汽の直近信用倍率は0.6倍台と大幅に売り長、日証金では逆日歩がついた状態にあり、その買い戻しで目先踏み上げ相場の色が濃くなっている。

■ヤーマン <6630>  1,048円  +44 円 (+4.4%)  本日終値

ヤーマン<6630>が後場プラスに転じた。午後1時ごろ、ウェアラブルEMS美顔器「メディリフト プラス」が、米国FDA(食品医薬品局)の認可を取得したと発表しており、好材料視された。「メディリフト プラス」は表情筋にアプローチする人気の「メディリフト」シリーズの製品で、ワンタッチ装着でフェイスラインまでしっかりホールドし、効率的なリフトケアが行えるのが特徴。米国での医療機器の販売には政府機関であるFDAの認可取得が必要となるが、今回「メディリフト プラス」がOTC(医師の処方不要で直接販売できる)医療機器として登録されたことで、世界の美容市場の中でも存在感の大きい米国で美容機器の本格展開を開始するとしている。

■リョーサン <8140>  4,580円  +140 円 (+3.2%)  本日終値

リョーサン<8140>が反発。4日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)の保有割合が6.31%から7.53%に上昇したことが判明しており、買い増しを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。

■ファンケル <4921>  2,521円  +71 円 (+2.9%)  本日終値

ファンケル<4921>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は4日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価は2300円から3000円に見直した。24年3月期の会社計画は慎重な印象として、業績予想を増額修正している。具体的には今期の連結営業利益を119億円から130億円(会社計画120億円)に見直した。同社のインバウンド需要は訪日中国人数の増加に伴い増える可能性が高い、と指摘。同社は中国で電子商取引(EC)事業や海南島などに進出しておらず、日本との価格差が大きいとみている。また、健康志向に伴いサプリメントが新たな需要を創出している。すでにバリュエーションが上昇している資生堂<4911>やコーセー<4922>に比べインバウンド需要が期待できる化粧品株のなかで株価に割安感がある、としている。

■SBIホールディングス <8473>  2,912.5円  +57 円 (+2.0%)  本日終値

SBIホールディングス<8473>が後場に強含む展開。5日、台湾の半導体ファウンドリー大手であるパワーチップ・セミコンダクター・マニファクチャリング(PSMC)と、日本国内での半導体工場設立に向けた準備会社を設立することで基本合意したと発表し、買い材料視された。パワーチップはメモリーとロジックの両方を生産でき、車載向けの半導体需要の90%以上を占める回路線幅28ナノメートル(ナノは10億分の1)以上の半導体を高品質で安価・大量に供給する体制を構築している。今後、準備会社において、工場の建設地の選定や事業計画の策定、資金調達の計画などを実施していく。

■アークス <9948>  2,510円  +30 円 (+1.2%)  本日終値

アークス<9948>が反発。2020年10月以来、およそ2年9カ月ぶりの高値をつけた。4日の取引終了後に24年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.3%増の1429億円、経常利益は同5.8%増の44億5500万円だった。経常利益の進捗率は中間期の計画に対し約57%と順調な滑り出しとなっており、評価した買いが入ったようだ。同社は北海道最大の食品スーパー運営企業で、青森や岩手の両県でもトップ。電気料金を中心に販管費が増加するなか、既存店売上高が同2.8%増と堅調に推移した。商品構成の見直しや特売内容の見直しも寄与したという。

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