生成AI関連へ短期資金が集中する可能性/オープニングコメント
7日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。6日の米国市場は、NYダウが366ドル安、ナスダックは112ポイント安だった。ADP雇用統計が大幅な伸びとなったことで、利上げ再開を警戒した売りが強まった。その後発表された消費関連指標も予想を上回る強い結果だったことから金利先高観が売り圧力となり、下げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比280円安の32450円、円相場は1ドル144円00銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時32220円まで売られ、ボリンジャーバンドの-1σを下回る場面が見られた。いったんは自律反発が意識されやすい水準ではあるものの、米雇用統計の発表を控えていることから、積極的な押し目狙いの買いは手控えられそうだ。
また、国内ではパッシブ型ETFの決算となる。分配金捻出のための売り需要が観測されており、想定されている需給イベントのため、押し目待ち狙いの買いのほか、売り方の買い戻しの動きが意識されやすい。ただし、ETFの決算は週明け10日に集中することから、米雇用統計が通過する10日の売り需要を狙った押し目狙いに向かわせやすく、本日のところは様子見姿勢に向かわせそうだ。
そのため、売り一巡後の底堅さを見極めつつ、短期的なリバウンド狙いの買いに対して、戻りの鈍さが意識される局面においては仕掛け的な売りが入りやすいだろう。日経平均は支持線として意識されていた25日線を下回ったが、6月27日の直近安値32306円やボリンジャーバンドの-1σが位置する32280円辺りでの下げ止まりを見極めたい。同水準を下回ってくるようだと、一段とセンチメントを冷ます可能性がある。
物色としてはインデックスに絡んだ商いを避ける形から、中小型株や直近IPO銘柄などの一角に短期的なリバウンド狙いの資金が向かいやすい。また、政府はソフトバンク<9434>が生成AIを開発するのに必要なスーパーコンピューター事業に対し、補助金約53億円を交付する方針を固めたと報じられており、生成AI関連への刺激材料になりそうだ。
《AK》