株価指数先物【寄り前】 パッシブ型ETFの決算通過後の需給改善が意識されやすい
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32380 -50 (-0.15%)
TOPIX先物 2256.0 +2.0 (+0.08%)
シカゴ日経平均先物 32465 +35
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。注目された6月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比20万9000人増となり、予想(23万人増程度)を下回った。前日に予想を大きく上回ったADP雇用統計を受けて労働市場の過熱感が警戒されていたこともあり、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めるとの懸念をわずかに和らげる内容だった。しかし、平均時給の伸び率が予想を上回ったため、金融引き締め長期化の警戒は解けず、売り優勢の展開だった。S&P500業種別指数はエネルギー、銀行、素材が上昇した一方で、電気通信サービス、家庭用品・パーソナル用品、食品・生活必需品小売が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比35円高の3万2465円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比140円安の3万2290円で始まり、3万2200円まで下落幅を広げた。売り一巡後は買い戻され、3万2280円~3万2460円処で保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にリバウンドが強まると、一時3万2670円まで買われる場面も見られた。しかし、終盤にかけて軟化し下落に転じ、3万2380円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、小動きで始まることになりそうだ。先週は4日に付けた3万3810円を高値に、7日の取引終了後のナイトセッションで3万2220円まで1590円下げた。パッシブ型ETFの決算に伴う分配金捻出のための売り需要が見込まれるなか、先回り的なショートが入ったとみられる。7日のETFの決算に絡んだ商いでは、後場中盤の3万2600円水準から終盤にかけて3万2430円まで売られていた。本日もETFの決算に絡んだ分配金見込み額は約1兆8147億円と観測されているなか、引けにかけての値動きには注意する必要がある。
一方で、本日の売り需給に向かう形でショートカバーが入ると考えられるほか、押し目待ち狙いのロングも入ろう。決算通過後の需給改善が意識されやすく、引けにかけての不安定な値動きには注意しつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。需給面の影響次第ではあるが、オプション権利行使価格の3万2000円~3万2700円処のレンジを想定する。
週末のVIX指数は14.83に低下した。前日には一時17.08まで上昇し、75日移動平均線を上回る場面も見られただけに、リスク選好に向かいやすいだろう。ただし、25日線は13.98辺りに位置しており、同線を上回って推移するようだと、ボトム圏ながらも投資家心理を次第に神経質にさせそうである。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に低下した。6月16日の14.69倍をピークに下向きのトレンドを形成しており、ボリンジャーバンドの-2σでの攻防を見せた。方向性としては14.29倍辺りに位置する-3σ辺りが意識されてくるが、需給イベントを通過した後は、NTショートを巻き戻す動きも想定しておきたいところだろう。
株探ニュース