前場に注目すべき3つのポイント~押し目狙いのタイミングを探る~

市況
2023年7月10日 8時28分

10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■押し目狙いのタイミングを探る

■安川電、1Q営業利益 17.9%増 164億円

■前場の注目材料:チャットGPT機能、入力情報の行方は、広がる外部サービス

■押し目狙いのタイミングを探る

10日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。7日の米国市場は、NYダウが187ドル安、ナスダックは18ポイント安だった。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ再開を警戒した売りが続くなか、6月雇用統計で雇用の伸びが予想以上に鈍化したためピーク金利に近づいたとの見方からいったん下げ止まった。しかし、追加利上げ観測は根強く、長期金利も上昇に転じたため、終盤にかけて売りが強まるなか、ダウは下げ幅を拡大し終了した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比35円高の32465円、円相場は1ドル142円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、小動きで始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時32200円まで売られ、ボリンジャーバンドの-1σを下回る場面が見られた。いったんは自律反発が意識されやすい水準ではあるものの、引けにかけてはパッシブ型ETFの決算に伴う分配金捻出のための売り需要が見込まれるなか、積極的な売買は手控えられやすいだろう。7日の決算による影響では後場半ば辺りから下落幅を広げており、日経平均は後場の安値で取引を終えていた。本日の決算に伴う売り需要は約1.8兆円と観測されており、手掛けづらい相場展開だろう。

ただし、本日のまとまった売り需要に向かう形で、押し目待ち狙いの買いが意識されやすい。また、投機筋による先回り的な売り方においても買戻しを入れてくるタイミングであろう。決算通過後の需給改善も意識されやすく、引けにかけての売り需要を警戒しつつも、押し目狙いのタイミングを探ることになりそうだ。先回り的な売りの積み上がりに加え、押し目待ち狙いの買い意欲が強いようだと、売り需要を吸収しての反発の可能性もあるだろう。

もっとも、今週は米国で消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)などのインフレ指標の発表が控えていることもあり、積極的な上値追いの流れは期待しづらいところでもある。そのため、インデックスに絡んだ商いを避ける流れから、直近IPO銘柄などに個人主体の資金が向かいやすいだろう。また、今週は小売企業の決算発表が予定されている。経済活動の正常化によって外食産業などの回復が顕著に表れているなか、先回り的な買いも意識されやすい。そのほか、週末には米国で金融株の決算発表が予定されていることもあり、メガバンクなどへの物色にも向かわせそうだ。

■安川電、1Q営業利益 17.9%増 164億円

安川電<6506>が発表した2024年2月期第1四半期業績は、売上収益が前年同期比18.5%増の1425.13億円、営業利益は同17.9%増の164.49億円だった。部品不足や中国のロックダウン影響により遅れが生じていた生産を挽回し、受注残の消化を進めたことに加え、為替の円安影響もあり増収となった。利益面については、生産の効率化や操業度の改善に加え、高騰した原材料の価格転嫁による採算性の改善もあった。2024年2月期業績は、売上収益が前期比4.3%増の5800億円、営業利益は同2.5%増の700億円を据え置いた。

■前場の注目材料

・シカゴ日経先物は上昇(32465、大阪比+35)

・SOX指数は上昇(3577.73、+0.24)

・VIX指数は低下(14.83、-0.61)

・米原油先物は上昇(73.86、+2.06)

・米長期金利は低下

・米国景気は拡大

・日銀は金融緩和を継続

・チャットGPT機能、入力情報の行方は、広がる外部サービス

・米、クラスター弾供与、対ウクライナ、露の防御線突破後押し

・サイバーや宇宙専門家、自衛官として採用方針

・サウジと「脱炭素」強化、首相、16日から中東歴訪

・ヤングケアラー支援強化、厚労省、基本指針明記へ

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:50 5月経常収支(予想:+1兆8658億円、4月:+1兆8951億円)

<海外>

・10:30 中・6月消費者物価指数(前年比予想:+0.2%、5月:+0.2%)

・10:30 中・6月生産者物価指数(前年比予想:-5.0%、5月:-4.6%)

《ST》

提供:フィスコ

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