【クラファン・優待】熊本の木を「木糸」に! デザインと低環境負荷を両立した製品で業界変革 Circulife、7月10日募集開始

経済
2023年7月10日 11時05分

熊本の地域資源を原料とした「木糸」を使った環境に優しい商品を製造・販売する株式会社Circulife(熊本県天草市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは7月10日19時30分開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:999万9000円、上限募集額:3999万6000円
・ 2回目(前回は2360万円調達)
・ エンジェル税制あり(優遇措置A)
・ 株主優待あり:毎年、季節の素材を利用した同社の草木染め製品を提供
・ みなし時価総額:1億846万円
・ 類似上場企業:クラシコム <7110> [東証G]、キューブ <7112> [東証G]、エアークローゼット <9557> [東証G]、アミタホールディングス <2195> [東証G]、リファインバースグループ <7375> [東証G]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

「循環型経済」実現のために創業

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(出典:FUNDINNO)

Circulife代表の川原剛氏は環境意識の高いアーティストやデザイナーと活動する中で、その考え方に共感し、環境に配慮した循環型経済を実現するため、2021年に同社を創業しました。

同社は熊本の地域資源である天草ヒノキと小国杉を原料とした「木糸(もくいと)」を活用した、環境に優しく、デザイン性の高い商品を製造・販売。今期から、木糸商品を「草木染め」する天然染料作りも開始し、2023年3月開業の「阿蘇くまもと空港」オープニングセレモニーでは、木糸生地と熊本城の桜の木で染めた「手ぬぐい」、木糸を素材とした「フェイスタオル」を記念式典参加者に提供しています。


前回からの進捗

前回2022年6月の資金調達時は、間伐材から作られた「木糸」の生地ができた段階でしたが、現在は、その木糸を使った商品開発を行っており、大手シューズブランド「PATRICK」から、木糸を素材とした環境に配慮したスニーカーが販売されています。

また、自社ブランドとして「Circulife SLEEP」を立ち上げ、生活の中での基盤となる「睡眠」にフォーカスした商品開発・ブランディングを、元大手アパレルブランドのデザイナーと進めているそうです。

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(出典:FUNDINNO)

同商品は2023年10月の販売を目指しており、現在は羽織やシャツを開発中。将来的には下着や枕カバーにとどまらず、1日の循環の中で「睡眠」に焦点をあてた、生活に心地よく寄り添う商品を販売したいとしています。

「草木染め」事業は、実際に熊本の木や植物で染色して製品化できる段階に到達し、阿蘇くまもと空港のリニューアルセレモニーでは、熊本城の桜を使った草木染めによる手ぬぐいが、記念品として採用されています。

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(出典:FUNDINNO)

草木染めは従来、染色温度80度で30分程度と労力がかかるものでしたが、同社の次世代型の「草木染め」技術は染色温度25度、約15秒で染まり、また、色あせも大幅に改善したことで、本格的に事業化するための条件が整ったといいます。今後は草木染め製品の本格的な生産のための設備整備を進めたい考えです。

なお、前回募集時に計画した2022年10月期のKPIについては、生地の販売数量は目標の15反(約750メートル)に対して4反(約200メートル)と未達。2022年10月期の売上も、約1800万円の目標に対して約1500万円と未達に終わっています。

計画未達の主な要因としては、顧客ニーズに合った商品開発に時間を要したこと、営業人員のリソース不足を挙げています。

今後は生地の販売ではなく、企業と開発した商品の販売にシフトし、toB・toCともに販路を拡大する計画で、また、営業人員のリソースも不足しているため、特に染料やアパレル業界に知見のある人材の確保が必要だとしています。

「今期からは、販売戦略として商品化にシフトするとともに、今回の資金使途として営業人員の確保を行い、木糸・草木染めともにさらなる商品の開発・販売を行う計画です」(同社)

Circulifeが「解決したい課題」

衣類を中心としたアパレル産業は世界2位の環境破壊産業とされ、世界の産業排水の約20%を占めており、中でも化学染料排水が深刻で、発がん性染料の河川への環境廃棄は見過ごされ、地球上の安全な水資源が急速に減少している現状に同社は着目しています。

アパレル業界によるCO2排出量は服1着あたり約25.5キロ、水の消費量は約2300リットルで、さらに廃棄衣料は年間約51万トン(約20億着分)と、高い環境負荷が見過ごせなくなっているそうです。

「世界的な環境意識の変化やSDGsの観点から、アパレル業界への環境意識は高まっていますが、衣類の製造や染料に関する環境への配慮は十分とはいえません。弊社は今後、化学染料や化学繊維に基づく大量生産・大量消費から脱却し、環境負荷を低減する循環型の社会へのシフトが必要であると考えています」(同社)

労力を要する「草木染め」を「25度で約15秒」に簡素化

同社は染色工程での環境負荷を低減するため、100%天然由来の「草木染め」を採用しています。

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(出典:FUNDINNO)

草木染めは化学染料よりも工程に手間がかかり、大幅な時間と労力を必要としていますが、同社は、これまで80度で約30分要した染色条件を、25度で約15秒へと簡素化することに成功。また、加熱不要で染色時間を短縮するだけでなく、色あせの改善やインクジェット染色への対応など草木染めの課題を克服したといいます。

染色には多くの水と熱量が必要でしたが、同社は温泉地・小国町の温泉の残り湯が持つ熱を活用した染料製造やインクジェット草木染めの導入など、CO2排出と染色排水が限りなくゼロとなる製品の量産確立を目指しています。

同社は「草木染め」事業と並行して、地元熊本の天草ヒノキや小国杉を原料とした「木糸」の生産も行っており、現在は多くの企業と協業して、ノベルティグッズやコラボ商品などを販売しています。

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(出典:FUNDINNO)

木糸は日本の地域資源を原料としているため、約98%を輸入に頼っている従来の生地や糸よりも輸送コストを大幅に削減でき、また、CO2排出量の低減にも貢献できるそうです。なお、生地は約25%、糸は約50%に間伐材の繊維が含まれています。

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(出典:FUNDINNO)

2022年春夏シーズンの限定企画として、PATRICK社製の木糸を使ったスニーカーを販売、今期は和紙(木糸を作る前段階)を利用した阿蘇神社の御朱印帳の製造など、多くの企業から企画や商品化の問い合わせがあるそうです。

また、toC向けには今期から新たに、木糸を使った自社ブランドとして「Circulife SLEEP」をスタート。現在は羽織やシャツを開発しており、2023年10月をめどに販売を計画しています。

「弊社は『環境によいモノを選ばないといけない』といった義務感に訴える製品や社会ではなく、『かっこよいモノを選んでいけば、それが自然と環境によい社会につながる』、そんな社会の実現を目指しています」(同社)

Circulifeの「ビジネスモデル」「販売戦略」「競合優位性」

【ビジネスモデル】

「木糸」事業では、地域企業とのコラボ商品の開発・販売に加え、高価格帯の自社ブランド「Circulife SLEEP」を立ち上げます。

「Circulife SLEEP」は熊本の地域資源を生かしたデザイン性と、独自技術による低環境負荷性をもとに、高価格帯での商品展開を目指しています。販売数量は適量生産を予定しており、四半期ごとに受注生産することで、在庫を持たず、環境にも配慮した形で製造を行いたい考えです。

「草木染め」事業については、すでに多くの問い合わせがあるといいます。

染料販売だけでなく、体験ツアーや体験型教育コンテンツでの活用を見込んでおり、まずは本拠地である天草市と、染料の製造拠点である小国町で、インバウンド観光客や企業の社員研修向けの販売を通して、同社のファンを増やしていきたい考えです。

染料販売も併せて、来期中には草木染め事業で収益化できる見込みだといいます。

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(出典:FUNDINNO)

【販売戦略】

地元の森林組合と業務提携し、toB向け・toC向けともに販路を確保する計画です。

同時に「Circulife SLEEP」のマーケティングも強化していくといい、具体的には、海外でも人気の漫画家・高浜寛氏に、SLEEPシリーズのアドバイザーとして伴走してもらう計画です。その後のPRでは、環境意識の高い国を中心とした海外でも展開予定です。

【競合優位性】

小国町森林組合とは業務提携を結び、間伐材の有効活用策として、「木糸」の新たな価値の認知拡大に努めており、こうした地域循環型の仕組みを日本全国に広げていきたいといいます。

また、同社は木糸の製造方法について、熊本大学、福井大学、山梨県立大学と共同で研究を進めています。

木糸の素材である和紙の従来の製造工程では、劇物の水酸化ナトリウムを使用しており、排水処理や労働環境の負荷になっていましたが、共同開発した技術を使えば、水酸化ナトリウムを使わず、低環境負荷な和紙や木糸の製造が可能になるそうです。

この技術による特許が取得できれば、衣類の製造工程における環境負荷を低減できるだけでなく、食料や医療品分野などへの波及効果も期待できるといいます。

現在、大学と共同で実証実験による検証を行っている段階で、2024年には、この製造方法を確立し、2025年には特許を申請する形で着実に研究を進めていく計画です。

今後の成長に向けて

(1)草木染め事業で自社工場を設置、商圏を九州全体へ

同社は現在、製造工程の多くを外注していますが、数年以内に一部の工程を内製化していく計画です。具体的には、木材からセルロース(繊維)を取り出す工程と草木染め(染色)の工程です。

草木染め事業では自社製造ができる設備を導入し、自社工場を設置する計画で、それにより、熊本県から九州全体に商圏を広げていくといいます。

草木染めに関しては、自社の「木糸」生産に限定されるものではなく、他社の製造依頼も受け入れることで新たな収益の柱も確保したい考えです。

将来的には、インクジェット草木染め設備を立ち上げ、高い生産性とデザイン自由度、大面積化などにも対応していきたいとしています。

(2)九州のモデルケースをOEMにより全国へ展開

九州でモデルケースを確立させた後、独自技術を含めたノウハウをOEMで提供し、全国各地に生産拠点を広げていく計画です。

木糸の技術を応用すれば、各地の地域資源を使った木糸の製造や同社独自の草木染めが可能となり、地域資源活用や地域活性化にも貢献できると見ています。

「そして、160年ほど続く化学素材ベースのアパレル産業の歴史を天然素材ベースの産業へと転換する挑戦をします。大量生産・消費・廃棄の社会から脱却し、循環型の生活(Circulife)へと移行することで、私たちの次の世代が安心して暮らせる世界を引き継いでいきたいと考えています」(同社)

(3)将来的なEXITはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(4)2030年に10万点以上のノベルティグッズ、オリジナル商品の販売を計画

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(出典:FUNDINNO)

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・クラシコム <7110> [東証G]

・キューブ <7112> [東証G]

・エアークローゼット <9557> [東証G]

・アミタホールディングス <2195> [東証G]

・リファインバースグループ <7375> [東証G]

株主優待

【基準日】

毎年8月末日

【優待内容】

毎年、季節の素材を利用した同社の草木染め製品を提供。2023年度は、来春に咲く桜で染めた「手ぬぐい」を予定。

【申し込み方法】

基準日経過後、予約・注文可能の案内をする。その際、同社問い合わせアドレスまで、「株主優待を利用する」と知らせる。

【注意事項】

※1人、1年に1回限りの優待。

※優待内容は変更になる場合がある。

※発送時期はIRで知らせる。

発行者・募集情報

募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

株式会社Circulife

熊本県天草市御領6290番1

資本金:12,800,000円(2023年6月8日現在)

発行済株式総数:39,440株(同)

発行可能株式総数:30,000,000株

設立日:2021年11月12日

決算日:10月31日

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 川原剛

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 14,544株

■募集株式の払込金額

1株あたり 2,750円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額999万円を以下の目的に充てる予定。

草木染体験設備投資 300万円

採用費・人件費 250万円

広告宣伝費 284万円

手数料 164万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額2,999万円(目標募集額999万円と上限募集額3,999万円との差額)を以下の目的に充てる予定。

草木染染色設備投資 350万円

糸の製造費用 400万円

採用費・人件費 1,000万円

染料製造オートメーション化設備投資 600万円

広告宣伝費 154万円

手数料 494万円

■投資金額のコース及び株数

99,000円コース(36株)

198,000円コース(72株)

297,000円コース(108株)

396,000円コース(144株)

495,000円コース(180株)

990,000円コース(360株)

1,980,000円コース(720株)

2,970,000円コース(1,080株)

3,960,000円コース(1,440株)

4,950,000円コース(1,800株)

5,940,000円コース(2,160株)

6,930,000円コース(2,520株)

7,920,000円コース(2,880株)

8,910,000円コース(3,240株)

9,900,000円コース(3,600株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、495,000円コース(180株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,900,000円コース(3,600株)を上限とする。

■申込期間

2023年7月10日~7月23日

■目標募集額

9,999,000円(上限募集額 39,996,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は31,680,000円とする。

■払込期日

2023年8月16日

■連絡先

株式会社Circulife

電話番号:0969-32-2888

メールアドレス:info@circulife.jp

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

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