日経平均は6日ぶり小反発、需給悪イベント通過も円高懸念で一時下落/相場概況
日経平均は6日ぶり小反発。10日の米株式市場でダウ平均は209.52ドル高と4日ぶり反発、ナスダック総合指数も+0.18%と4日ぶり小反発。連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを警戒した売りが先行したが、その後金利が低下したことで買い戻しが優勢になった。景気敏感株を中心に堅調に推移した一方、ハイテクは半導体株を除いて売り買いが交錯した。なお、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+2.06%と大幅に続伸。上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りが一巡したことや米SOX指数の上昇を背景に日経平均は244.94円高からスタート。しかし、為替の円高が重石となり、32500円に近づくと戻り売りに押される一進一退の展開が続いた。前引けにかけて失速し、後場後半には一時下落に転じた。ただ、32000円近くからは押し目買いや買い戻しが入り、大引けにかけては下げ渋った。
大引けの日経平均は前日比13.84円高の32203.57円となった。東証プライム市場の売買高は13億3223万株、売買代金は3兆1719億円だった。セクターでは水産・農林、金属製品、精密機器が上昇率上位に並んだ一方、輸送用機器、電気・ガス、医薬品が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の39%、対して値下がり銘柄は56%だった。
個別では、米SOX指数の上昇を受けてレーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体株が大きく上昇。SUMCO<3436>は経済産業省が新工場建設を補助するとの報道もあり大幅高。連続増配や既存店売上高が好感されたコスモス薬品<3349>は急伸。決算を材料に前日ストップ高となった良品計画<7453>は大幅続伸。USEN-NEXT<9418>は大幅増益決算と業績上方修正が、パンパシHD<7532>は既存店売上高が、ベルク<9974>は第1四半期高進捗の決算がそれぞれ材料視されて大きく上昇。ほか、ANYCOLOR<5032>やラクスル<4384>、Sansan<4443>などグロース(成長)株の上昇が目立つ。三菱自動車<7211>は外資証券の目標株価引き上げが好感されたようだ。
一方、本日、株式の売出価格が決定するソシオネクスト<6526>は急落。為替の円高を受けてトヨタ自<7203>、日産自<7201>、マツダ<7261>が大きく下落。エーザイ<4523>、第一三共<4568>の医薬品の一角が大幅安となり、NTT<9432>、KDDI<9433>の通信も安い。決算が失望されたウエルシアHD<3141>、ブックオフGHD<9278>、進和<7607>、業績下方修正や株主優待制度の廃止が嫌気されたワッツ<2735>などは急落した。
《YN》