三菱UFJなど銀行株が堅調、日銀YCC修正観測強まり金利上昇メリット株に資金
日経平均株価の下げ幅が300円を超す軟調な地合いにあって、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が逆行高となるなど、銀行株が底堅い動きとなっている。国内の賃金に上昇圧力が高まったことを受け、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を修正するとの観測が強まっており、利ザヤ改善への思惑から銀行株を選好する姿勢が広がっている。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やりそなホールディングス<8308>も上昇。しずおかフィナンシャルグループ<5831>や山口フィナンシャルグループ<8418>など地銀株もしっかり。
厚生労働省が7日発表した5月の毎月勤労統計で、名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額の伸びが顕著となり、YCC修正観測が広がった。11日の米国市場では長期金利が4%を下回る水準に低下(長期債価格は上昇)したものの、円債市場では外部要因を受けた債券買いよりも、YCC修正による国内金利上昇を警戒した売りが優勢となっており、債券先物に下落圧力が掛かっている。