GPIF、22年度末の国内株式運用資産は49.7兆円(2312社保有)、新規に「43社」取得
世界最大級の年金基金とされる、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月7日に2022年度の資産運用状況を発表した。運用実績は2兆9536億円の黒字と前年度の10兆0925億円の黒字から大幅に縮小したものの3年連続で黒字を達成した。世界的な政策金利の引き上げで債券安が進む中、国内株の上昇が下支えとなり黒字を確保した格好だ。運用資産全体の収益率は1.50%だった。そのうち国内株式は収益率が5.54%、運用実績は2兆7288億円の黒字となった。GPIFの運用資産は23年3月末時点で200兆1328億円にのぼり、世界最大規模の機関投資家として運用動向は世界的に注目されている。その資産構成(オルタナティブ資産を含むベース)は国内株式が50兆3337億円、国内債券が55兆0622億円、外国株式が49兆9865億円、外国債券が50兆1225億円となっている。
国内株式では、上場企業の株式を直接保有する運用資産が49兆7093億円(23年3月末時点)に達し、日本全体の株式時価総額743兆円(同)に対して約6.7%を占める、日本市場における最大の株主でもある。また、保有銘柄も2312社と広範囲に及ぶ。保有時価総額ベースではトップがトヨタ自動車 <7203> [東証P]、2位がソニーグループ <6758> [東証P]、3位はキーエンス <6861> [東証P]と昨年と同じトップ3となる一方、持株比率ベースではトップはニフコ <7988> [東証P]、2位がスミダコーポレーション <6817> [東証P]、3位はラクスル <4384> [東証P]となっている。
前年度からの変化を見ると、保有銘柄数は2347から2312に35銘柄減っている。ソシオネクスト <6526> [東証P]、プロクレアホールディングス <7384> [東証P]、大栄環境 <9336> [東証P]など43銘柄を新規に取得した一方、78銘柄を売却しポートフォリオから外している。また、持株比率が3%以上増えた銘柄はSREホールディングス <2980> [東証P]、メドレー <4480> [東証P]、メルカリ <4385> [東証P]、Appier Group <4180> [東証P]の4銘柄だった一方、3%以上減った銘柄は大平洋金属 <5541> [東証P]、オロ <3983> [東証P]、ポピンズ <7358> など6銘柄となっている。
なお、GPIFは保有株を信託銀行などに信託しているため、有価証券報告書の「大株主の状況」には登場しない。
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