話題株ピックアップ【夕刊】(2):スマサポ、クオリプス、クロスプラス
■キッセイ薬品工業 <4547> 2,925円 -52 円 (-1.8%) 本日終値
キッセイ薬品工業<4547>が反落。19日の取引終了後、脊髄小脳変性症治療薬「ロバチレリン」の国内製造販売承認申請を取り下げたと発表しており、これを嫌気した売りが出た。同薬については21年12月に製造販売承認申請を行ったものの、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から現状の臨床試験データでの承認は困難であるとの見解が示されたことを受けていったん承認申請を取り下げ、追加臨床試験の実施可能性などについてPMDAと協議することにしたという。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
■スマサポ <9342> 1,645円 +300 円 (+22.3%) ストップ高 本日終値
スマサポ<9342>が急騰。同社はきょう午前11時ごろ、不動産賃貸管理業を展開しているアパグループ(東京都港区)が自社の入居者アプリ「totono」を導入し、運用を開始したと発表。これが株価を刺激したようだ。「totono」は、不動産管理会社と入居者をつなぐスマートフォンアプリケーション。入居者はこれまで不動産管理会社とのやり取りは電話や書類手続きといった手段に限られていたが、このアプリを利用することでアプリ内から契約内容を確認でき、問い合わせや各種申請もアプリ内で行うことが可能になる。
■クオリプス <4894> 2,271円 +400 円 (+21.4%) ストップ高 本日終値
クオリプス<4894>がストップ高。NHKが19日夜、心筋細胞シートを心臓の患者に移植する手術を九州で初めて行った九州大学が会見を開き、患者の男性の経過は順調だと報告したと報じた。クオリプスはiPS細胞由来の心筋細胞シートの開発を手掛けており、今後の事業拡大を期待した買いが集まったようだ。手術は今年1月に行われた。虚血性心筋症という重い心臓病を患う50代の男性に、心筋細胞シートを心臓の表面に貼り付ける手術を実施した。患者の男性は仕事に復帰しており、九大は術後の経過は順調だと明らかにしたという。
■クロスプラス <3320> 969円 +150 円 (+18.3%) ストップ高 本日終値
クロスプラス<3320>がストップ高。19日の取引終了後、24年1月期連結業績予想について、売上高を580億円から590億円(前期比3.4%増)へ、営業利益を3億円から12億円(同6.6倍)へ、純利益を5億円から13億円(同2.9倍)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各7円の年14円から、中間・期末各12円の年24円へ引き上げており、これを好感した買いが殺到した。上期において、ショッピングセンターやファッションビルなどの商業施設の復調のなか、アパレル卸売、アパレル小売ともに好調に推移していることに加えて、前期から継続して仕入原価上昇に対応する価格転嫁を更に進めていることが売上高・利益を押し上げる。また、素材や機能など付加価値を高めたNB商品の強化に加え、ASEAN生産比率を高め、仕入原価の低減を図っていることも寄与する。
■プラネット <2391> 1,451円 +147 円 (+11.3%) 一時ストップ高 本日終値
プラネット<2391>が続急伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「ユニ・チャームやライオンなど日用品メーカーと卸の合計10社が年内に共同の物流システム基盤の運用を始める」と報じられ、なかで「まず商品の受発注システムを運用するプラネットが開発した物流基盤システムを採用する」とあることが買い材料視されたようだ。記事によると、10社連合では共同運送も視野に入れ、運転手不足で物流が滞る懸念のある「2024年問題」に備えるとしており、物流基盤システムの採用により、数時間を要した荷下ろし作業時間を4割短くするという。メーカーが商品を発送する際に、各トラックが運ぶ商品や荷物量のデータが事前に卸に共有されるようになり、これまで荷下ろしや待機時間を長くしていた要因の一つとされる荷物の検品作業の効率化を図るとしている。
■クラダシ <5884> 624円 +53 円 (+9.3%) 本日終値
クラダシ<5884>が5日ぶりに急反発した。同社はフードロス削減を促す食品EC「Kuradashi」を運営し、6月30日に東証グロース市場に新規上場した。上場日に高値879円(初値は800円)をつけた後は下落基調を続け、7月19日には一時567円まで売られるなど、公開価格の520円に迫っていた。値ごろ感を意識した買いが入ったほか、海外市場ではウクライナの穀物輸出拠点であるオデッサ港がロシア軍の攻撃を受けたことで、小麦先物価格が急伸。食品価格の更なる高騰に対する懸念が強まるなかにあって、消費者の節約志向の強まりが同社の事業の追い風となるとの思惑も広がったようだ。
■ラストワンマイル <9252> 3,690円 +220 円 (+6.3%) 本日終値
ラストワンマイル<9252>は続伸。前日に75日移動平均線を足場に大陽線を引いたが、きょうも目先筋の売り物をこなし上値を指向。電力・ガス料金や宅配水などの契約代行サービスを手掛けるが、M&Aや提携戦略などを推進し業容拡大に取り組んでいる。19日取引終了後、インターネットサービスの販売、卸売事業を展開するキャリア(札幌市北区・非上場)の全株式を取得し子会社化することを発表した。取得価格は概算で5億700万円。これによる顧客層の拡大に期待した買いを引き寄せている。
■ハルメク <7119> 1,905円 +105 円 (+5.8%) 本日終値
ハルメクホールディングス<7119>が反発。19日の取引終了後、23年9月末時点の株主から株主優待制度を新設すると発表したことが好感された。毎年9月末と3月末時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、保有する株数に応じて自社グループの雑誌(定期購読権)や商品をそれぞれ贈呈する。
■rakumo <4060> 1,140円 +57 円 (+5.3%) 本日終値
rakumo<4060>は大幅続伸。この日、「rakumoワークフロー」とフランスのルムアップス社(リヨン市)の従業員エクスペリエンスプラットフォーム「LumApps(ルムアップス)」を連携させるためのガジェット機能の提供を開始したと発表しており、好材料視された。「rakumoワークフロー」は社内稟議プロセスをデジタル化し、社内業務の効率化を実現するためのワークフローシステムで、Google Workspaceとの連携により人事異動時のメンテナンス作業を効率化できるサービス。今回のガジェット機能提供により、個人に最適化された「LumApps」のポータル画面を通じて、申請・承認のプロセスをスムーズに行えるワークフロー環境を実現するとしている。
■ジオコード <7357> 813円 +30 円 (+3.8%) 本日終値
ジオコード<7357>が続伸。この日の寄り前、SEO対策とWebサイト制作を融合・発展させた「オーガニックマーケティング」サービスにおいて、顧客Webサイトのコンバージョン改善にWACUL<4173>の「AIアナリスト」を導入すると発表したことが好感された。ジオコードでは、19年から「AIアナリスト」を試験的に導入し、これまで約40社の顧客Webサイトの改善に利用した結果、コンバージョン率が改善する結果が得られたという。「AIアナリスト」を活用することで、個人の属人的なスキルや分析結果に頼るのではなく、GA(Googleのアクセス解析)上のデータをAIによって分析した結果に基づいて実施できるため、効率的で実効性の高いコンバージョン率改善の提案が可能になるとしている。
株探ニュース