【クラファン・優待】老舗の技術を継承! 「和菓子」2ブランドで危機に立ち向かうインテグラル、7月23日募集開始

経済
2023年7月21日 11時40分

老舗の技術を継承した和菓子ブランドを展開するインテグラル株式会社(愛知県春日井市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは7月23日10時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1100万円、上限募集額:5500万円
・ エンジェル出資実績あり
・ エンジェル税制あり(優遇措置B)
・ 株主優待あり:和菓子を詰め合わせた定期便を箱詰めして提供
・ みなし時価総額:4億円
・ 類似上場企業:サンクゼール <2937> [東証G]、ミクリード <7687> [東証G]、ベースフード <2936> [東証G]、中村屋 <2204> [東証P]、不二家 <2211> [東証P]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

日本の伝統技術を結集、「世界の和菓子屋」を目指す

インテグラル代表の松本裕明氏は2013年、あんこを加工する高い技術が特徴的な名古屋の老舗和菓子屋に出会い、同社から和菓子を卸してもらいつつ、全国のイベントや催事で販売する事業を開始しました。販売を拡大しつつ、2017年からは、技術を継承すべく製造にも参画しています。

2020年、本格的に和菓子販売を広めるために同社を設立し、売上高約3.3億円(2022年10月期)にまで成長。今後、日本各地で失われつつある多くの和菓子の技術を再興し、そのノウハウを生かして世界中に和菓子を届ける事業に乗り出す計画です。

同社は老舗和菓子屋の技術を受け継いだ和菓子ブランド「春日井よし乃」、洋菓子の要素を取り入れた新しい和菓子を提案する「想寿楼(そうじゅろう)」の2ブランドを展開しています。

今後はOEM・ODMによる商品開発・販売も予定しており、現在、東京や愛知、神奈川などの企業から依頼があるほか、2023年8月には自社工場の設立を予定しており、さらなる収益向上を見込んでいます。

「今後、多くの企業と連携しながら新商品の開発や受託製造を行う中で、さらにノウハウを蓄積し、継承した伝統技術を後世に引き継いでいきたいと考えています。将来的には、日本の伝統技術を結集した和菓子を世界中に届けることで『世界の和菓子屋』を目指します」(同社)

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(出典:FUNDINNO)

後継者不足による廃業増で「和菓子」の危機

同社によると、和菓子屋の経営者年齢は高齢化しており、経営者の平均年齢は約60歳(帝国データバンク)、倒産件数は減少しているものの、休廃業や解散企業数は過去最多となっているそうです(東京商工リサーチ)。

こうした背景もあり、日本における洋菓子の1世帯あたりの年間支出額は伸びている一方で、和菓子は苦戦(総務省統計局「家計調査」)、コロナ禍では、多くの有名和菓子屋が倒産したニュースも話題となるなど、日本の伝統文化である和菓子が徐々に消えつつあると同社は見ています。

和菓子は職人技術が必要であり、それらは一子相伝で継承することが前提ではあるものの、少子高齢化による後継者不足により、廃業する和菓子屋が増えているそうです。

「こうした状況が続けば、日本が培ってきた伝統技術が失われ、文化の衰退につながってしまうと考えています」(インテグラル)

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(出典:FUNDINNO)

一方で、和菓子自体は根強い人気があるといい、あるアンケート調査では「和菓子が好き」と答えた人は約8割に上り、ニーズ自体は大きいと同社は考えています。近年では、トレーニー(体を鍛えている人)からも注目されるなど、高齢者だけでなく幅広い年代から人気があるそうです。

しかし、特に若年層が和菓子に対して「古い」「格式高い」といったイメージを持っていることから、最近では、和菓子のイメージを現代にアップデートした「ネオ和菓子」という概念も生まれているといいます。

「弊社は『和菓子×洋菓子』をコンセプトとした『想寿楼』をフランチャイズ展開し、市場シェアを獲得していきたいと考えています」(同社)

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(出典:FUNDINNO)

素材選び、あんこの炊き方…幅広い製造技術を継承

同社は素材の選び方からあんこの炊き方、餅の炊き方など幅広い種類の和菓子の製造技術を継承しており、その技術を基盤として、自社ブランド「春日井よし乃」「想寿楼」を展開しています。

「春日井よし乃」は大福をメインに、お餅や団子、羊かんなど昔ながらの伝統的な和菓子を展開、現在は愛知県内の常設店舗の他、東海から関東を中心に大手百貨店や商業施設などでのイベント・催事で出張販売しています。

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(出典:FUNDINNO)

「想寿楼」は現役パティシエの監修のもと立ち上げた新ブランドで、和菓子に洋菓子の要素を取り入れた「ネオ和菓子」のオリジナル商品を販売、SNS映えする見た目やパッケージなど、今までにない革新的な和菓子を提案しています。

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(出典:FUNDINNO)

「想寿楼」は2022年2月よりフランチャイズ展開しており、フランチャイズ候補は現在10社。2030年中に139店舗を目指し、フランチャイズ加盟店を増やしていく計画です。

自社ブランド2店舗を合わせた売上高は2018年に約1.3億円、2019年には約3億円を達成し、延べ31万人以上が購入しています。

同社は、優れた和菓子作りの技術があるにもかかわらず、廃業の危機に直面している企業に対し、さまざまな支援を行っていきたい考えです。

販売戦略のほか、ご当地ごとの最適な商品開発の支援やOEMによる受託製造、ODMなど開発から製造まで一貫して対応するケースなど、多様なニーズに応えられる体制を整えているといいます。

個人の和菓子屋が早朝から仕込みをして作ったにもかかわらず、売れずに機会損失や食品ロスを出してしまうより、同社が適切に製造量を調整して受託製造した方が、マージンを差し引いても店舗の利益が大きくなり得るそうです。

「和菓子屋の商品を受託製造することで、弊社の中にもその技術やノウハウが蓄積されていきます。伝統的な和菓子作りの技術を弊社に集約して新たな和菓子作りに生かすことで、文化の喪失を防ぎ、100年先の未来へつなげていきたいと考えています」(同社)

インテグラルの「ビジネスモデル」「販売戦略」「競合優位性」

【ビジネスモデル】

同社は現在、自社ブランドでの店舗販売に加えて、大手百貨店での催事を含めて約3.3億円の売上高を達成、2023年10月期には約3.9億円の売上高を見込んでいます。

今後はOEM・ODMによる商品開発や販売を予定しており、さらに今回の資金調達による自社工場の設立後、さらなる収益向上を想定しているそうです。

また、フランチャイズ店舗の拡大も予定しており、店舗への卸売のほか、1店舗につきフランチャイズ加盟金約150万円、ロイヤリティ約2%とすることで安定的な収益を確保し、1店舗で月間約185万円の売上を見込んでいます。

【販売戦略】

今後、FC1店舗につき3カ所で催事を行う「1店舗3催事戦略」により、大手百貨店をはじめ、カインズやDCMといったホームセンターなどでの催事を行いつつ、法人企業への卸販売も積極的に行っていきたい考えです。

フランチャイズ展開に関しては、現在10社の候補があり、2030年中に約140店舗を目指しています。

全国的なFC展開においても、地域ごとの特性を生かした商品開発を行うことで、それぞれの地域でファンを作っていきたいといい、全国的な知名度を得ることで、大型ショッピングモールなど立地の良い場所での出店も可能になると考えています。

【競合優位性】

自社の競合優位性は、主に3つあると考えています。

(1)老舗和菓子屋から継承した商品開発・技術力

日本各地に点在する優れた伝統技術を集約し、自社の持つ製造や技術の指導という形で再分配することで、日本の和菓子業界のインフラになりたいとしています。

(2)オリジナル和菓子の商品開発や出張販売によって蓄積された製造・販売ノウハウ

より多くの人に手に取ってもらえる販売戦略や、品切れによる機会損失や、売れ残りによる食品ロスを極力抑える製造調整ノウハウなどを提供したい考えです。

(3)他社と連携したオペレーション体制

経営財務のコンサルティングを行う株式会社グロウアップパートナーズと提携し、開発コストや補助金などのアドバイスを行うことで、店舗での販売や接客に集中してもらえる環境を整えているといいます。

今後の成長に向けて

(1)自社工場による生産力向上、2024年には海外販売も

今後、さらなる供給数の拡大に向けて、2023年8月に自社工場を設立する予定です。工場では現行商品の製造のほか、新商品の開発を積極的に行うといいます。

自社工場設立により生産能力を向上させ、日本全国にフランチャイズ展開できる体制を整えたい考えで、まずは「想寿楼」のFC加盟店100店舗を目指し、事業規模を拡大していくとしています。

また、2024年には海外へ向けた和菓子販売を開始する予定で、国内の催事で実績のある大手百貨店や商業施設と連携し、海外店舗での催事でPRと販売を行うめどが立っているそうです。

さらに、毎月定額で和菓子の箱詰めを届ける海外向けサブスクリプションサービス「Sakuraco(桜子)」と連携へ向けた準備も進めています。「Sakuraco」は約150の国や地域にユーザーがいるため、同社でも賞味期限の長い商品を開発中です。

「こうした一つ一つの戦略を進めながら日本の伝統技術をしっかりと継承し、世界中の食卓に和菓子を届けたいと考えています」(同社)

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(出典:FUNDINNO)

(2)将来的なExitはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(3)2030年に累計139店舗のFC加盟店数を計画

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(出典:FUNDINNO)

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・サンクゼール <2937> [東証G]

・ミクリード <7687> [東証G]

・ベースフード <2936> [東証G]

・中村屋 <2204> [東証P]

・不二家 <2211> [東証P]

株主優待

【基準日】

毎年10月末日

【優待内容】

同社商品の和菓子を詰め合わせた定期便を箱詰めして提供

・1~19株:和菓子の定期便(年1回)

・20~49株:同(年2回)

・50株以上:同(年4回)

【申し込み方法】

基準日経過後、予約・注文可能の案内をする。その際に同社お問い合わせアドレスまで「株主優待を利用する」と知らせる。

【注意事項】

・株主優待の内容は変更になる場合がある。

・発送時期はIRにて知らせる。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

インテグラル株式会社

愛知県春日井市味美白山町一丁目14番地11

資本金:10,000,000円(2023年6月19日現在)

発行済株式総数:1,000株(同)

発行可能株式総数:3,000株

設立日:2020年4月7日

決算日:10月31日

※2023年7月10日を効力発生日として、1株を40株とする株式分割に伴う発行済株式総数、発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は40,000株、発行可能株式総数は1,000,000株となる。

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 松本裕明

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 5,500株

■募集株式の払込金額

1株あたり 10,000円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額1,100万円を以下の目的に充てる予定。

工場内装費 500万円

原材料仕入 358万円

手数料 242万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額4,400万円(目標募集額1,100万円と上限募集額5,500万円との差額)を以下の目的に充てる予定。

工場設備機械購入費用 2,582万円

改装費 500万円

原材料仕入 350万円

手数料 968万円

■投資金額のコース及び株数

100,000円コース(10株)

200,000円コース(20株)

300,000円コース(30株)

400,000円コース(40株)

500,000円コース(50株)

1,000,000円コース(100株)

2,000,000円コース(200株)

3,000,000円コース(300株)

4,000,000円コース(400株)

5,000,000円コース(500株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(50株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,000,000円コース(500株)を上限とする。

■申込期間

2023年7月23日~8月8日

■目標募集額

11,000,000円(上限募集額 55,000,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は44,000,000円とする。

■払込期日

2023年8月31日

■連絡先

インテグラル株式会社

電話番号:0568-70-3745

メールアドレス:info@kasugai-yoshino.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

<売上高3億円達成>昨年度延べ31万人以上が購入。高い商品開発力・技術力を活かし、フランチャイズ展開と和菓子のOEM・ODMで伝統技術を未来につなぐ「インテグラル」

【タイトル】

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