話題株ピックアップ【夕刊】(2):JCRファ、トクヤマ、インフォMT

注目
2023年7月27日 15時16分

■JCRファーマ <4552>  1,383.5円  +66.5 円 (+5.1%)  本日終値

JCRファーマ<4552>が3日続伸。同社は26日取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比34.5%増の20億6600万円となり、通期計画56億円に対する進捗率が36.9%となっていることが好感されたようだ。売上高は同12.5%増の108億800万円で着地。遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」をはじめ、主力製品の販売が好調に推移したことなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。

■トクヤマ <4043>  2,465円  +94 円 (+4.0%)  本日終値

トクヤマ<4043>が4連騰。2021年5月以来、およそ2年2カ月ぶりの高値をつけた。この日、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比1.0%増の848億8600万円、経常利益は同20.5%減の56億5300万円となった。経常利益は大幅な減益となり、通期計画に対する進捗率は約19%にとどまった。半導体市場の低迷が響くなか、セメントや化学品などの販売価格の上昇などが奏功した。在庫影響による原燃料コストの増加が利益を圧迫する形となったが、決算説明会資料では下落に転じた石炭スポット価格について、その効果は第2四半期(7~9月)以降に出ると言及。製造コストの減少による利益押し上げ効果への期待を強める格好となった。25日移動平均線を下回った価格帯では押し目買いが集まったほか、5日移動平均線とのゴールデンクロスを形成していることもあって、株高に弾みがついた。

■インフォマート <2492>  398円  +12 円 (+3.1%)  本日終値

インフォマート<2492>が朝安後に切り返した。この日、発注書や契約書など企業間商取引をデジタル化するクラウドサービス「BtoBプラットフォーム」について、自治体のLGWAN(総合行政ネットワーク)への本格的な対応を始めたと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。自治体はインターネットと切り離されたLGWANを利用しており、外部ネットワークへの接続が制限されているという。本格稼働を始めた「BtoBプラットフォーム on LGWAN」を活用することで、自治体・省庁内のペーパーレス化と業務のデジタル化が実現するとしている。

■大塚商会 <4768>  5,795円  +148 円 (+2.6%)  本日終値

大塚商会<4768>が続伸、174円高の5821円まで買われ、今月19日につけた年初来高値5799円奪回まであと一歩の展開となった。システムインテグレータ大手でシステム開発から保守まで一気通貫で手掛けており、業績も絶好調に推移している。26日取引終了後に23年12月期通期業績予想の上方修正を発表した。売上高は従来予想の9010億円から9540億円(前期比11%増)に営業利益は586億円から622億円(同14%増)に増額した。売上高、営業利益ともに4期ぶり過去最高を更新する見込みとなった。これが評価される形で投資資金を呼び込んでいる。

■川崎汽船 <9107>  4,275円  +83 円 (+2.0%)  本日終値

川崎汽船<9107>が一時4300円台を回復し年初来高値更新を目前に捉えているのをはじめ、海運株が軟調地合いのなか総じて強さを発揮した。業種別騰落で「海運」は値上がり率のトップ。前日の米国株市場ではFOMC通過後に景気敏感株中心に買いが続いたが、半導体関連などハイテク系グロース株は値を下げる銘柄も多かった。足もとではバリュー株優位の地合いとなっている。そのなか低PBRで高配当利回りの海運セクターが投資資金の受け皿となっている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数はここ再び1000の大台を割り込んで推移しているが、バルチック指数への影響が大きいとされる中国経済については中国政府当局の景気刺激策への期待感が高まっており、海運株への買い戻しを誘発している。

■沖縄セルラー電話 <9436>  3,005円  +45 円 (+1.5%)  本日終値

沖縄セルラー電話<9436>が3日ぶりに反発し、3000円台に乗せた。26日の取引終了後に自社株買いと消却の実施を発表し、好感されたようだ。同社は取得総数120万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.4%)、取得総額30億円を上限とする自社株買いを8月1日から2024年4月19日の間に行う。また発行済み株式総数の5.9%に相当する310万1118株を今年8月9日に消却する予定。あわせて開示した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、営業収益が前年同期比0.2%減の185億円、最終利益が同8.0%増の33億2500万円だった。「auでんき」の売り上げが減少した一方、マルチブランド通信収入は増加した。

■ABEJA <5574>  5,400円  +60 円 (+1.1%)  本日終値

ABEJA<5574>が大幅続伸、株価は14日にストップ安で下放れ、その後はザラ場5000円台割れまで売り込まれる場面もあったが、5000円近辺では押し目買いも活発で安値圏でのもみ合いを続けてきた。人工知能(AI)を活用した企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)導入支援ビジネスで時流を捉え、業績は成長局面に突入している。23年8月期の業績予想は営業利益段階で3億9000万円の黒字(前期は1億6300万円の赤字)を予想しているが、第3四半期(22年9月~23年5月)時点で進捗率は97%に達しており、上振れの可能性も意識されるところ。株式需給面では貸株調達による証券会社経由の空売りが急増していたことから、この買い戻しが株価に浮揚力を与えているもようだ。

■三菱UFJ <8306>  1,079円  +10.5 円 (+1.0%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社がいずれも頑強な値動きで目を引いている。あすに日銀金融政策決定会合の結果が公表されるが、今のところ大規模金融緩和策の現状維持が濃厚との見方が強い。しかし、市場では「業界関係者でも意見が分かれており、株関係者の見方は政策変更なしでほぼ一致しているが、債券関係者の一部ではイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を行うという見方が浮上している。微妙に雰囲気が変わっており、銀行株は売りポジションを取っていた向きが一部買い戻してポジションを軽くしている形跡がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれ、メガバンクの強調展開に反映されたようだ。

■トプコン <7732>  1,800円  -265 円 (-12.8%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

トプコン<7732>はマドを開けて売られた。26日の取引終了後に4~6月期(第1四半期)決算を発表し、最終損益は前年同期の黒字から1億9900万円の赤字に転落して着地した。通期で黒字を見込んでいるだけに、これが嫌気された。人員増やインフレ影響に伴う経費の増加、一過性の減損損失が響いた。各事業が堅調だったことや円安の影響もあり、売上高は前年同期比5.7%増の496億9500万円だった。なお、通期見通しは据え置いた。

■サイバーエージェント <4751>  923.8円  -110.7 円 (-10.7%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

サイバーエージェント<4751>は年初来安値更新。26日の取引終了後に23年9月期業績予想の修正を発表。営業利益を前期比63.8%減の250億円とし、従来予想のレンジ(400億~500億円)から大幅に引き下げたことが嫌気された。スマートフォンゲームの周年イベントの重なりなどで第2四半期に大きく伸びたゲーム事業の反動が想定よりも大きかった。メディア事業や広告事業が順調なことから、売上高については従来予想(前期比1.3%増の7200億円)を据え置いた。同時に発表した第3四半期累計(22年10月~23年6月)決算は、売上高が前年同期比0.1%増の5349億7300万円、営業利益が同66.1%減の189億6600万円だった。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.