注目銘柄ダイジェスト(前場):富士通、日野自、ログリーなど
キヤノン<7751>:3630円(-129円)
大幅続落。前日に上半期の決算を発表、営業利益は1767億円で前年同期比1.2%増となったが、4-6月期は923億円で同6.3%減と減益に転じている。コンセンサスは30億円程度下振れたものとみられる。通期予想は3800億円から4000億円、前期比13.2%増に上方修正しているものの、為替前提の変更が主因であり、ポジティブな反応は限定的にとどまる。本日は為替の円高反転の動きも逆風とみられる。
富士電機<6504>:6248円(+230円)
反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は147億円で前年同期比48.5%増となり、市場予想を30億円程度上振れる着地になっている。つれて、通期予想は従来の940億円から960億円、前期比8.0%増に上方修正。第1四半期の上振れや為替前提の見直しを反映し、コンセンサス水準にまで引き上げられている。想定以上の堅調決算を受けて、パワー半導体事業の成長期待などもあらためて反映される状況のようだ。
富士通<6702>:17880円(-955円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業損益は17億円の赤字となり、280億円程度の黒字予想であった市場コンセンサスを大幅に下振れ。会社側ではおおむね想定通りとしているもようだが、据え置きの通期計画3400億円、前期比1.3%増の未達懸念は強まる状況になっている。リストラや買収費用などの一過性費用も含まれているが、デバイス部門の下振れも想定より大きいとの評価が優勢のようだ。
日野自<7205>:564.7円(-64.9円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は11億円で前年同期比73.7%減となり、70億円程度のコンセンサス水準を大幅に下振れ。国内認証関連損失の計上により、純損益は165億円の赤字となっている。一時的な費用増に加えて、材料価格の高騰が営業大幅減益の背景となっている。認証不正の影響は今後軽減するとみられるが、据え置きの通期計画200億円、前期比14.9%増達成には不透明感が強まる形に。
三菱UFJ<8306>:1087.5円(+8.5円)
続伸。日経平均が売り先行となる中でメガバンクは揃って買い優勢に。本日まで日銀金融政策決定会合が開催されているが、本日の報道では、日銀はYCCの修正案を議論すると伝わっている。長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くが、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上しているとされている。同報道を受けて債券市場では長期金利が急上昇、10年債利回りは一時5か月ぶりに0.5%を超える水準となっている。
ログリー<6579>:857円(+150円)
ストップ高。マイクロアド<9553>と資本業務提携契約を締結すると発表している。ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」関連ビジネスでの案件創出や営業力強化のほか、データプラットフォーム関連ビジネスでの事業開発やサービス展開などで協業する。マイクロアドは第三者割当増資や株式売出しでログリー株38万0300株(議決権比率10.01%)を取得する。ログリーは調達資金の約1.06億円を短期借入金の返済に充てる。
アジャイル<6573>:246円(+12円)
急伸。子会社を設立し、新たな事業として酸素ボックス商材の企画・製造・販売を開始すると発表している。設立予定日は31日。健康美容系の主要顧客層はグループのターゲット層と近似しており、とりわけ酸素ボックス商材は得意とするSNSを活用したWebマーケティングによる営業が行いやすいと判断した。業績に与える影響は現在精査中で、適時開示が必要になった場合は速やかに知らせるとしている。
オンデック<7360>:1047円(+33円)
大幅に3日ぶり反発。28万株(約2.84億円)を上限として自社株買いを実施すると発表している。発行済株式総数(自社株を除く)に対する割合は9.8%。28日朝方の立会外取引(ToSTNeT-3)で買い付けを委託する。買い付け価格は27日終値の1014円。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率の向上を図ることが目的。14日に直近高値(1179円)を付けてから株価が急落したことも買いやすさにつながっているようだ。
《ST》