富田隆弥の【CHART CLUB】 「注意したいFOMC後」

市況
2023年7月29日 10時00分

◆なんと、なんとNYダウは1987年1月以来36年半ぶりとなる13連騰を記録(本稿執筆の27日時点、終値は3万5520ドル)。2022年1月に付けた史上最高値3万6952ドルに向けてまさに“まっしぐら”といった雰囲気で、その突破すら容易と言わんばかりの勢いだ。

◆ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>やシェブロン<CVX>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、スリーエム<MMM>、マイクロソフト<MSFT>といったNYダウ採用銘柄が好決算(4-6月期)を発表し、企業業績に対し楽観的な見方が広がる。FRB(米連邦準備制度理事会)は26日に0.25%の利上げを決めたものの、市場は「コンセンサス通り、利上げ最終局面」と受け止めてリスクオン姿勢を続けている。

◆確かに強いNYダウだが、金利の水準は高いままである。短期テクニカル指標の多くも高値警戒圏にきており、そろそろ調整を挟む展開を想定しておく。また、これまで指摘してきたように、NYダウはFOMC(米連邦公開市場委員会)の後に流れを変えることは珍しくない。前回(6月13日~14日)のFOMCは、NYダウが5月下旬の安値3万2586ドルから上昇していた局面で開催されたが、FOMCから2日後の16日に3万4588ドルの高値を付けて反落し、26日の3万3610ドルまで調整を入れた。

◆今回のFOMC(7月25日~26日)は、冒頭に述べた如くNYダウが年初来高値の更新を重ねているタイミングで開催された。8月のバカンス本番を控え、ここから利益確定売りに動く投資家が出てきてもおかしくない。調整に転ずるなら、2~3週間の日柄調整になる可能性もある。

◆さて、日本株は27日~28日に開かれる日銀金融政策決定会合が1つのポイントだが、日経平均株価は日足チャートの25日移動平均線(27日時点3万2754円)を3週ぶりにクリアした。これでダブルトップを付けた7月3日高値の3万3762円を目指す可能性が出てきたことになる。

◆ただし、ダブルトップの3万3700円台は厚い節であり、そこを一気に突き抜けられるかは疑問だ。ダブルトップの手前で戻りを抑えられると、チャートは好転を確認できず、そこが戻り高値になる可能性もある。8月の日米株価は上昇をどこまで続け、どこで調整に転ずるかを注視することになりそうだ。

(7月27日 記、次回更新は8月5日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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