システムズD Research Memo(4):SIを提供、近年ではローコード開発ツールの活用やDX案件なども手掛ける

特集
2023年8月3日 14時44分

■システムズ・デザイン<3766>の事業概要

2. システム開発事業

システム開発事業では、企業向け情報システムの企画、開発から運用までをトータルにサービスするシステムインテグレーション(SI)を提供している。

主な事例としては、自動車メーカーの基幹系システム、医療機関向けの電子カルテシステム、通信サービス事業向けのシステム基盤、物流事業向けの基幹系システムなどがある。主な取引先としては、ホンダ<7267>、富士通<6702>、(株)オプテージ、SGシステム(株)などである。

システム開発事業においては、システム不具合に伴うプロジェクト遅延などにより、当初の予定費用を著しく超過することもある。同社においては、2020年3月期に不採算案件の収束のために一時的な損失を計上している。その結果、2020年3月期のシステム開発事業は売上高4,369百万円(前期比14.7%減)、営業損失274百万円(前期は損失18百万円)に落ち込んだ。ただ、その後は新規提案や開発の進捗状況におけるレビュー体制を強化することで、不採算の防止を防ぎ、品質向上に取り組んでいる。足元では収益性の向上が見られ、当該取り組みの成果が出ていると思われる。

近年では、ローコード開発ツールを活用したサービスを得意としており、収益性の向上にも寄与している。ローコード開発ツールとは、可能な限りソースコードを書かずに、アプリケーションを短期間で開発することを支援するツールである。企業がDXの取り組みを進めていくことに伴い、迅速で柔軟にアプリケーションの開発を行う必要性が生じている。そのため、ローコード開発ツールに注目が集まっている。同社は当該ツールをサービス・先端技術・業務アプリへ拡大し、DXへ展開するべく取り組んでいる。

同社は、住友電工情報システム(株)のローコード開発プラットフォームである「楽々Framework3」の販売代理店である。また、「楽々Framework3」を活用した電子署名連携サービスを開発し、提供している。同社はIT業界において、今後もローコード開発プラットフォームを活用した取り組みは拡大していくと見ており、ビジネスも拡大していくと見ている。

コールセンターやデータエントリーを中軸にBPOサービスを提供

3. アウトソーシング事業

アウトソーシング事業では、情報システムの運営にかかるライフサイクルコストを軽減し、顧客の経営資源を最適化するための様々なアウトソーシングサービスを提供している。具体的には、コールセンターやデータエントリーを中軸として、業務のアウトソーシングを行うビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービスを提供している。

主な事例としては、コールセンターによる商品の問い合わせ対応や販促業務、商品の在庫・出荷管理業務、特定健診・保健指導の提出用データファイルの作成、紙書類やイメージ画像のデータエントリー、図書館の文書・データ管理業務、マイナンバー関連業務、PCのキッティングやヘルプデスク、情報資産管理業務などがある。特に、子会社のアイカムは、保険関連の自社コールセンターの運営ノウハウを有しており、コールセンターの構築やコンサルティングサービスなどを手掛けている。

長年培ってきた業務ノウハウと顧客との厚い信頼関係

4. 優位性

顧客ニーズに合わせた最適なサービスの提供と、長年培ってきた業務ノウハウによる顧客との厚い信頼関係が同社の優位性である。独立系SIerならではの強みを生かし、特定のメーカーや製品の制約を受けることなく、常に顧客にとって最適なITソリューションの提供に努めてきた。その結果、製造、物流、通信サービス、医療、官公庁、文教など幅広い分野にわたって、顧客からの厚い信頼を獲得している。

また、同社では、システム開発事業、アウトソーシング事業の2つの事業を持つ強みを生かし、コンサルティングからシステムの企画、設計、開発、システム基盤構築、システム維持運用、BPOまで、ワンストップでのサービス提供や、部分的なポイントでのサービス提供が可能となっている。

同社は顧客密着型サービスとして、多くの顧客企業でオンサイトサービスを提供している。「クライアント企業と密にコニュニケーションがとれる」、「レスポンスが早い、迅速に対応できる」といったメリットがあり、更なる拡大を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《YI》

提供:フィスコ

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