UPSが決算受け下落 通期の売上高と利益率を下方修正 労組との合意でコスト上昇を見込む=米国株個別
貨物輸送のUPS<UPS>が取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高は予想を下回った。米国の小包が冴えなかった。同社は消費者習慣の変化とコスト上昇に直面している。
通期のガイダンスも公表し、売上高見通しを下方修正した。同社は今年の営業利益率も従来の12.8%から11.8%に下方修正したが、これは主に労使交渉による影響と、7月25日に合意した暫定合意に関連するコストを反映させたと述べている。トメCEOは声明で「労働組合のチームスターズと合意に達したことを嬉しく思う。今後、われわれは市場の最も魅力的なところで成長を獲得し、グローバルな統合ネットワークをさらに効率的にするための戦略を維持する」と述べた。
同社は、荷物量の減少、パンデミック時代の値上げに対する顧客からの不満、経費増加という厳しい環境の中、チームスターズとの5年契約締結後には人件費の上昇に直面しそうだ。更に、年末以降に購入される配達用車両にエアコンを追加する費用を含め、新しい労使協定には300億ドルの新たな費用も追加される。
この契約はまだ34万人の労働者による批准が必要で、投票結果は8月22日に出る予定だと組合側は発表している。アナリストらは、批准後に財務的影響の詳細な内訳が発表されると予想している。
(4-6月・第2四半期)
・1株利益(調整後):2.54ドル(予想:2.50ドル)
・売上高:220.6億ドル(予想:230.0億ドル)
米小包:144.0億ドル(予想:148.1億ドル)
国際小包:44.2億ドル(予想:46.8億ドル)
サプライチェーン:32.4億ドル(予想:35.1億ドル)
・1貨物当たり売上高:13.92ドル(予想:14.04ドル)
(通期見通し)
・売上高:約930億ドル(従来:約970億ドル)(予想:966.3億ドル)
(NY時間10:20)
UPS<UPS> 178.79(-3.36 -1.84%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美