戸田工業---NEDO「水素社会構築技術開発事業」において採択、取り組みを開始
戸田工業<4100>は8日、エア・ウォーターと、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「水素社会構築技術開発事業」に、「北海道豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」を提案し、本年6月に採択され、北海道天塩郡豊富町にて、本事業に向けた取り組みを開始したことを発表。なお、「メタン直接改質(DMR)法」によりCO2が発生しない水素を商用規模で生産することは国内初の取り組み。
両社は、2021年よりNEDO委託事業として、天然ガスやバイオガス等の主成分であるメタン原料から高活性鉄系触媒を用いた「DMR法」により、CO2フリー水素の製造プロセスおよびシステム開発に取り組んできた。本事業では、これまでの開発成果を元に、「DMR法」による商用規模の水素製造プラントを豊富町内に設置し、メタンを主成分とする温泉付随天然ガスから、CO2を直接排出させることなく高純度水素の製造を行う。同時に、製造した水素を近隣の需要家へ供給し、地産地消型の水素サプライチェーンの構築を進めていく。副生成物の炭素は、高導電性を有する多層カーボンナノチューブ(CNT)として市場展開することを目指し、用途探索と性能評価を進める。2025年度を目途に、水素と高付加価値な多層CNTを製造できる「DMR法」による水素製造システムを確立させ、水素製造コストの低減と水素サプライチェーンのクリーン化を目指す。
《SO》