富田隆弥の【CHART CLUB】 「二番天井突破まで様子見も一策」
◆日本株にとって1つのポイントになると見ている「お盆」。この期間は「閑散に売りなし、安値は買い」というアノマリー(経験則)があるが、8月15日を迎える週は日経平均株価の6月19日高値(3万3772円)から週足で9本目に当たり、週足RCI(順位相関係数)の9週線も足もとで-90%付近の底値に到達している。
◆また、この週は日足も8月1日高値(3万3488円)から9本~13本目に当たり、日足RCI(9日線、13日線)も底値圏に到達している。このように8月第3週はテクニカル的に焦点となりやすい。
◆ただし、日経平均株価のチャートは心もとない。6月と7月に3万3700円台でダブルトップを形成後、8月1日の3万3488円を戻り高値(二番天井)にもみ合い、25日移動平均線(9日時点3万2563円)の下方で推移している。
◆7月12日の安値3万1791円や75日移動平均線(同3万1684円)を意識して下げ渋っているが、これらの節を割り込むともう一段の下値模索の動きとなり、水準で26週移動平均線(同3万0200円)、タイミングでは8月第5週(7月3日の高値から週足9本目)に底打ちを先送りしかねない。
◆信用買い残が3兆7957億円(8月4日申し込み時点)と16年ぶりの水準に膨れている。株価が上昇基調にあるならば問題はないが、25日移動平均線をいつまでも割り込んだままだと上値のシコリとして需給悪化の懸念が台頭してくる。
◆お盆期間は古里や行楽地で過ごす人たちが増えて人流やイベントなどが活発化し、観光業界を中心にかき入れ時を迎える。特に今年はコロナ規制解除後の最初の夏休みとあって経済活動の本格化へ期待も高まっていた。だが、そのタイミングで台風6号に続き、7号が列島を襲来する恐れがあり、災害を含めて日本へのダメージが懸念される。相場は「流れに従う」のが基本であり、日経平均株価が二番天井の3万3488円を突破して好転を確認するまで、もうしばらく様子見も一策と思われる。
(8月9日 記、次回更新は8月19日を予定)
株探ニュース