15日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反落、金利高や銀行格下げを警戒

市況
2023年8月16日 7時39分

■NY株式:米国株式市場は反落、金利高や銀行格下げを警戒

ダウ平均は361.24ドル安の34,946.39ドル、ナスダックは157.28ポイント安の13,631.05で取引を終了した。

中国経済指標が軒並み予想を下回ったため、世界経済の減速懸念を背景とした売りが先行。一方、国内の7月小売売上高が予想を上回り金利先高観が再燃したほか、格付け会社フィッチが一部銀行の格下げの可能性を警告したことも売り材料となった。長期金利の上昇を嫌いハイテクも売られ、株式相場は終日軟調に推移、終盤にかけて下げ幅を拡大した。セクター別では銀行や自動車・自動車部品が大幅に下落。

住宅建設会社のDRホートン(DHI)、レナー(LEN)、NVR(NVR)は著名投資家のバフェット氏が運営するバークシャー・ハサウェイによる株式取得が当局への報告で明らかになり、それぞれ上昇。半導体のエヌビディア(NVDA)はアナリストの投資判断引き上げで買いが続いた。メディアのパラマウント・グルーバル(PARA)は現在ストライキを続けている脚本家に対し、新たな交渉に入ったとの報道を受け合意期待から買われた。

一方、銀行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)やJPモルガン・チェース(JPM)、シティ・グループ(C)は格下げを警戒し、軒並み下落。クレジットカード会社のディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(DFS)はホックチャイルド氏が突然の最高経営責任者(CEO)および取締役退任を発表し大幅安となった。

取引終了後、地中海料理のファーストレストランを運営するCAVA(CAVA)は上場後初の四半期決算を発表。内容が予想を上回り、時間外取引で買われている。

(Horiko Capital Management LLC)

■NY為替:ドル・円は上げ渋り、中国経済の低成長を警戒

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、145円82銭へ上昇後、145円11銭まで反落も戻し、145円58銭で引けた。米7月小売売上高や7月輸入物価指数が予想以上に伸びが拡大したため金利上昇に連れドル買いが優勢となった。その後発表された8月NAHB住宅市場指数が予想外に低下し金利低下に伴うドル売りに一時転じたものの、アトランタ連銀の7-9月期国内総生産(GDP)見通しの上方修正、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言が予想程ハト派にならず、追加利上げの可能性も完全には除外しなかったためドル買いが再開した。

ユーロ・ドルは、1.0898ドルへ下落後、1.0953ドルまで上昇し、1.0903ドルで引けた。ユーロ・円は159円20銭へ上昇後、158円68銭まで反落。中国の低調な経済指標を受けたリスク回避の円買いに押された。ポンド・ドルは、1.2682ドルまで下落後、1.2753ドルまで上昇した。英国の6月週平均賃金が過去最大の伸びを記録し、9月会合で利上げペースを加速するとの観測が強まりポンド買いに拍車がかかった。ドル・スイスは0.8797フランまで上昇し0.8754フランへ反落した。

■NY原油:続落で80.99ドル、ドル高を意識した売りが増える

NY原油先物9月限は続落(NYMEX原油9月限終値:80.99 ↓1.52)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比-1.52ドルの80.99ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは80.40ドル-82.91ドル。アジア市場で82.91ドルまで買われたが、ドル高を意識した売りが増えたことで米国市場の中盤にかけて80.40ドルまで反落。その後はもみ合いとなり、通常取引終了後の時間外取引では主に81ドルを挟んだ水準で推移。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.94ドル -0.99ドル(-3.20%)

モルガン・スタンレー(MS) 86.16ドル -1.17ドル(-1.34%)

ゴールドマン・サックス(GS)332.21ドル -5.53ドル(-1.64%)

インテル(INTC) 34.77ドル -0.91ドル(-2.55%)

アップル(AAPL) 177.45ドル -2.01ドル(-1.12%)

アルファベット(GOOG) 130.27ドル -1.56ドル(-1.18%)

メタ(META) 301.95ドル -4.24ドル(-1.38%)

キャタピラー(CAT) 277.37ドル -7.17ドル(-2.52%)

アルコア(AA) 30.34ドル -1.39ドル(-4.38%)

ウォルマート(WMT) 159.18ドル -0.82ドル(-0.51%)

《ST》

提供:フィスコ

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