金融株への売り仕掛け的な動き/オープニングコメント
16日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。15日の米国市場はNYダウが361ドル安、ナスダックは157ポイント安だった。中国の予想を下回る経済指標の発表が相次ぐなか、世界経済のリスク上昇を警戒した売りが先行した。また、格付け会社フィッチが大手銀行を含む70行の格下げの可能性を警告したことも一段の売り材料となった。S&P500業種別指数はすべての業種が下落した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比310円安の31940円。円相場は1ドル145円50銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり、節目の32000円割れが懸念されそうだ。ただし、75日線が31830円辺りに位置しており、同線が支持線として意識される可能性はあるだろう。また、ボリンジャーバンドの-2σ水準にも接近することから、いったんは底入れからの押し目を拾う動きもありそうだ。また、7月12日の直近安値31791円とのダブルボトム形成となる可能性から、売り一巡後の底堅さがみられる局面においては、売り方の買い戻す動きが入りやすいと考えられる。
昨日は米ハイテク株の上昇が支援材料となり、東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>などが日経平均をけん引する展開だった。本日は売り先行から指数の重荷となる可能性はあるだろうが、米国ではエヌビディアが小幅な上昇となるなど、相対的に底堅さが見られていた。一方で、金融株の下げが目立っていたこともあり、東京市場においても金融株への売り仕掛け的な動きが入りやすく、ハイテク株には押し目を拾う動きも意識されてきそうだ。
もっとも、決算発表が通過したことから、決算を手掛かりとした短期的なトレードも難しくなった。昨日は主要なグロース株の下落が目立ったが、夏休みシーズンでもあるため、いったんキャッシュ化する流れにも向かわせた面はありそうだ。市場参加者は限られているなか、インデックスに絡んだ売買に相場全体は振らされやすい需給状況になろう。
《AK》