16日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続落、追加利上げを警戒
■NY株式:米国株式市場は続落、追加利上げを警戒
ダウ平均は180.65ドル安の34,765.74ドル、ナスダックは156.42ポイント安の13,474.63で取引を終了した。
中国経済の減速や同国の株式相場の下落を警戒した売りが先行し、下落スタート。主要小売り企業の好決算を材料に一時プラス圏を回復するも、予想を上回った住宅着工件数や鉱工業生産を受けて金利が上昇すると再び売られた。また、公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月開催分)でインフレリスクに伴う追加金融引き締めの必要性が示唆されると金利高を警戒した売りが強まった。セクター別では保険が上昇、自動車・自動車部品が大きく下落。
衣料小売りのTJマックス(TJX)は第2四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回ったほか、通期見通しの引き上げが好感されて上昇。ディスカウント小売りのターゲット(TGT)は同四半期決算で見通しが下方修正されたが、利益率が予想を上回り買われた。
一方、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は中国でモデルSとモデルXを対象に今週2度目となる値下げを発表、収益性の低迷が懸念され売られた。半導体のインテル(INTC)は中国の承認が得られず、イスラエルの半導体受託生産会社のタワーセミコンダクター(TSEM)の買収計画を断念したとの報道が嫌気され下落。自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(F)は、自動車労働者組合会長がもし現在の労働協約が期限を迎える来月までに労使交渉で合意できなければストライキを決行する可能性を警告し、それぞれ下落した。
ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズ(CSCO)は取引終了後に四半期決算を発表。1株利益が予想を上回ったが、見通しが弱く、時間外取引で売り先行後にプラス転換するなど方向感にやや乏しい展開となっている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米追加利上げ観測強まりドルは一段高
16日のニューヨーク外為市場でドル・円は、145円65銭から146円41銭まで上昇し、146円33銭で引けた。米7月住宅着工件数が予想以上に増加したほか、米7月鉱工業生産も予想を上回ったため金利が上昇しドル買いが優勢となった。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)(7月25-26日会合分)で追加引き締めの可能性が指摘されたためドル買いが一段と加速。
ユーロ・ドルは、1.0923ドルから1.0872ドルまで下落し、1,0877ドルで引けた。ユーロ・円は158円84銭へ下落後、159円26銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2760ドルまで上昇後、1.2712ドルまで下落した。英国の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回り英中銀の追加利上げペース加速観測を受けたポンド買いに底堅く推移。ドル・スイスは0.8814フランまで上昇後、0.8781フランへ反落した。
■NY原油:続落で79.38ドル、節目の80ドルを下回る
NY原油先物9月限は続落(NYMEX原油9月限終値:79.38 ↓1.61)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比-1.61ドルの79.38ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは79.05ドル-81.43ドル。米国市場の序盤にかけて81.43ドルまで買われたが、株安やドル高を嫌気した売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で一時79.05ドルまで反落した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.29ドル -0.65ドル(-2.17%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.99ドル -0.17ドル(-0.20%)
ゴールドマン・サックス(GS)329.11ドル -3.10ドル(-0.93%)
インテル(INTC) 33.53ドル -1.24ドル(-3.57%)
アップル(AAPL) 176.57ドル -0.88ドル(-0.50%)
アルファベット(GOOG) 129.11ドル -1.16ドル(-0.89%)
メタ(META) 294.29ドル -7.66ドル(-2.54%)
キャタピラー(CAT) 274.51ドル -2.86ドル(-1.03%)
アルコア(AA) 29.31ドル -1.03ドル(-3.39%)
ウォルマート(WMT) 159.26ドル +0.08ドル(+0.05%)
《ST》