話題株ピックアップ【夕刊】(1):三栄建築、イオンファン、三菱UFJ
■三栄建築設計 <3228> 2,019円 +176 円 (+9.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
三栄建築設計<3228>が急騰。16日の取引終了後、同社に対しオープンハウスグループ<3288>が、1株2025円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。完全子会社化を目指す。株価はTOB価格にサヤ寄せする展開となった。買付予定数は2121万7079株で、下限は1414万4700株。上限は設定しない。買付期間は8月17日から9月28日まで。三栄建築の創業者で元社長の小池信三氏と小池氏の親族が保有する企業との間で、TOBの応募契約を締結したという。三栄建築もTOBに賛同の意見を表明した。三栄建築を巡っては、元社長が指定暴力団の組員に対し金銭を供与したとして、東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告を受けていた。オープンHは戸建事業の拡大などにつなげる構え。東京証券取引所は16日、三栄建築を監理銘柄(確認中)に指定した。
■ソフトウェア・サービス <3733> 10,120円 +700 円 (+7.4%) 本日終値
ソフトウェア・サービス<3733>が大幅続伸。同社は16日取引終了後、7月度の月次売上高が前年同月比84.8%増の32億5700万円になったと発表。5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。なお、受注高は同2.4倍の33億2000万円、受注残高は同25.9%増の112億3300万円となっている。
■イオンファンタジー <4343> 3,210円 +200 円 (+6.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
イオンファンタジー<4343>が急反発。同社は16日取引終了後、7月度の売上概況(国内事業)を公表。既存店売上高は前年同月比11.5%増となり、伸び率が6月度の3.8%増から拡大したことが好感されたようだ。商品売上は同2.1%減にとどまったが、遊戯機械売上が同14.7%増と大きく伸びたことが寄与。なお、全店ベースの売上高は同15.6%増だった。
■アイコム <6820> 2,985円 +99 円 (+3.4%) 本日終値
アイコム<6820>が大幅高。同社は16日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の29億円から30億3000万円(前期比6.3%増)に引き上げた。売上高予想も350億円から362億円(同5.9%増)に上方修正。海外市場における経済活動の正常化に伴う強い需要に加え、為替が円安方向で推移していることが追い風になるとしている。なお、想定する平均為替レートは1ドル=137円(前回公表は128円)、1ユーロ=148円(同138円)としている。また、期末配当を従来計画比17円増額の57円とすることもあわせて発表。これにより、中間配当25円と合計した年間配当は82円(前期は72円)となる。
■FPパートナー <7388> 3,725円 +80 円 (+2.2%) 本日終値
FPパートナー<7388>が反発した。SBI証券が16日、FPパートナの目標株価を5250円から5800円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続した。営業社員数が堅調に伸長し、年10%前後の保険の新契約件数増加は今後も持続可能と推測。他社からの保有契約の譲り受けや新規事業の拡大が予想を上回る形で進めば、カタリストになると指摘する。同証券はFPパートナの24年11月期の営業利益予想を63億2500万円から64億800万円に増額した。
■三菱UFJ <8306> 1,099円 +10.5 円 (+1.0%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が朝安後にプラスに転じるなど底堅く推移。16日に公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化の思惑が広がった。米長期金利は一時4.28%と約10カ月ぶりの水準まで上昇。加えて17日の円債市場では、財務省が実施した20年債入札が「不調」と伝わり、超長期債を中心に利回りに上昇圧力が掛かっている。投資家のリスク許容度が下向くなかにあって、銀行株に対しては内外金利上昇による収益貢献を期待した押し目買いが入ったようだ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>が後場に切り返した。スルガ銀行<8358>や千葉銀行<8331>、いよぎんホールディングス<5830>、ひろぎんホールディングス<7337>が高く、東証の業種別指数で銀行業は上昇率トップとなった。
■パンパシHD <7532> 2,938円 +18.5 円 (+0.6%) 本日終値
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が高い。同社が16日取引終了後に発表した23年6月期決算は営業利益が前期比19%増の1052億5900万円と大幅な伸びを達成した。これで34期連続の過去最高益更新という驚異的な成長トレンドを継続している。同社はディスカウント店「ドン・キホーテ」を展開するが、脱コロナ環境で外出やイベント需要が盛り上がるなか、PB(プライベートブランド)商品や日用雑貨、レジャー用品などの売り上げが好調で収益を押し上げた。また、訪日外国人観光客の急増を背景にインバウンド消費も取り込み、免税売上高の回復も寄与した。今後は中国の団体旅行解禁に伴いインバウンド需要が一段と高まることが予想され、同社にとっても追い風は強まりそうだ。24年6月期の営業利益は前期比6%増の1110億円を予想するが、更なる上振れも期待される。
■NTTデータグループ <9613> 1,844.5円 +11.5 円 (+0.6%) 本日終値
NTTデータグループ<9613>は底堅い。SMBC日興証券が16日、NTTデータの目標株価を3000円から3100円に引き上げた。投資判断は「1」を継続した。日本電信電話<9432>による国内での負債調達力を活用した円キャリーファンディングにより、金融費用が圧縮に向かうと指摘。同証券はNTTデータの金融収支を見直して業績予想に反映し、25年3月期純利益の予想をこれまでの1710億円から1735億円に引き上げた。
■野村不HD <3231> 3,512円 +20 円 (+0.6%) 本日終値
野村不動産ホールディングス<3231>が後場は強含みの展開となった。不動産経済研究所が17日発表した7月の首都圏の新築分譲マンション市場動向によると、発売戸数は前年同月比14.2%増の2591戸となり、9カ月ぶりに増加した。販売環境が好転に向かっていると受け止めた投資家の買いが不動産株の支えとなったようだ。平均価格は9940万円で前年同月比55.8%上昇。初月契約率は同14.1ポイント上昇の74.8%となり、2カ月ぶりの70%台となった。三井不動産<8801>や三菱地所<8802>、東急不動産ホールディングス<3289>も堅調に推移している。
■船井総研HD <9757> 2,323円 -105 円 (-4.3%) 本日終値
船井総研ホールディングス<9757>は連日の年初来安値更新。同社が8日に発表した1~6月期決算は、売上高が前年同期比9.3%増の133億9200万円、営業利益が同10.1%減の33億7100万円だった。通期で増収増益を見込んでいるだけに、上期時点での減益に懸念が高まっているようだ。決算発表以降、同社株は下落基調を続けている。主力の経営コンサルティング事業で月次支援やプロジェクトのコンサルが増収となり、全体の売上高に貢献した。一方、利益面ではコンサル活動再開による旅費交通費の増加、積極的な人材採用による採用費や人件費の増加が重しとなり、減益を余儀なくされた。なお、通期見通しは据え置いている。
株探ニュース