利益成長【青天井】銘柄リスト〔第4弾〕23社選出 <成長株特集>
本特集では、「利益成長“青天井”銘柄リスト」の【第1弾】(7月30日配信)、【第2弾】(8月6日配信)、【第3弾】(8月13日配信)に続くシリーズ第4弾として、8月10日~16日の期間に発表された決算の中から、23年4-6月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。
下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、23年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している23社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、バイオ創薬ベンチャーのジーエヌアイグループ <2160> [東証G]。23年4-6月期(第2四半期)の税引き前利益は51.8億円とこれまでの過去最高益を7.7倍も上回って着地。米子会社Cullgenがアステラス製薬 <4503> [東証P]と結んだ戦略的提携に基づく契約一時金47.2億円を計上したことが収益を大きく押し上げた。また、主力の特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ」の販売が中国で想定以上に好調だった。好決算を受けて、株価は年初来高値圏に急浮上している。
2位に入った投資用マンションの企画・開発・販売を手掛けるグローバル・リンク・マネジメント <3486> [東証P]は、成長戦略に掲げているレジデンスの1棟バルク販売「まとめて販売」の推進で高付加価値物件の引き渡しが計画通りに進んだほか、非レジデンス領域では用地仕入事業で東京都渋谷区の土地を1件売却し、4-6月期(第2四半期)の経常利益は24.9億円と23四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。株価は14日に約5年2ヵ月ぶりの高値1815円まで上値を伸ばしている。
4位のメドレー <4480> [東証P]は医療ヘルスケア領域の人材採用システム「ジョブメドレー」で顧客事業所数と従事者会員数が引き続き順調に増加し、4-6月期(第2四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期を59.2%上回る22.7億円に伸びて着地。業績好調に伴い、23年12月期通期の同利益を従来予想の17.6億円→30億円に大幅上方修正し、従来の5期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。
5位にリスト入りした清涼飲料メーカーのライフドリンク カンパニー <2585> [東証P]は、既存工場の生産能力増強で生産数量が増加したことに加え、値上げ効果や1月に買収したニットービバレッジの業績上積みも寄与し、4-6月期(第1四半期)は3四半期ぶりに過去最高益を更新した。原材料費や水道光熱費、人件費の増加が重荷となったものの、生産性向上やコスト削減で補った。
続く6位にはケミカルポンプ大手のイワキ <6237> [東証P]が入った。4-6月期(第1四半期)は水処理市場向けが米国を中心に好調を維持したほか、半導体・液晶市場向けも新たに連結対象となった中国子会社の業績寄与で大きく伸びた。また、医療機器市場向けポンプなども拡大し、経常利益は前年同期比53.9%増の17.8億円と2四半期ぶりに過去最高を達成した。上期計画の19.5億円に対する進捗率は91.3%と高水準で業績上振れが期待される。好調な業績を背景に、株価は上場来高値圏を快走する展開となっている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<2160> ジーエヌアイ 666 5181 676 130 4143 1805 50.2 *
<3486> グロバルLM 108 2499 1204 44.9 3300 2278 6.6
<3979> うるる 75.9 248 141 199.1 1280 428 14.2
<4480> メドレー 59.2 2278 1431 96.6 3000 1526 90.7
<2585> Lドリンク 45.6 1364 937 16.4 3550 3050 20.4
<6237> イワキポンプ 43.8 1782 1239 9.4 4302 3933 12.4
<4377> ワンキャリア 41.9 630 444 30.9 814 622 33.7
<8704> トレイダーズ 39.0 1582 1138 7.2 4000 3730 7.7
<3661> エムアップ 26.8 786 620 20.9 2500 2068 34.2
<7180> 九州FG 24.0 17257 13919 3.9 37000 35597 10.8
<4475> HENNGE 21.2 303 250 4.9 561 535 91.3
<4612> 日本ペHD 20.3 48513 40324 44.5 151000 104495 23.3 *
<6294> オカアイヨン 18.8 714 601 14.7 2250 1961 12.0
<3150> グリムス 12.9 1886 1670 18.0 4350 3687 19.2
<5105> TOYO 11.8 22960 20529 7.4 61000 56814 5.9
<7821> 前田工繊 11.6 2519 2257 3.6 9000 8690 16.0
<6571> QBNHD 11.5 815 731 13.8 2264 1990 12.6 *
<6465> ホシザキ 11.4 16100 14446 11.2 42000 37763 27.3
<8114> デサント 10.5 4490 4065 11.5 13000 11664 24.9
<4371> CCT 8.1 465 430 42.8 1626 1139 49.6
<6918> アバール 8.1 746 690 8.6 2710 2495 12.7
<1780> ヤマウラ 5.8 993 939 44.9 2960 2043 11.7
<7550> ゼンショHD 5.3 9243 8774 33.2 37395 28081 44.9
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業、4-6月期の経常利益額が1億円未満の企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース