話題株ピックアップ【夕刊】(1):ハイデ日高、さくらネット、アドテスト
■フルマルHD <7128> 2,714円 +239 円 (+9.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
フルサト・マルカホールディングス<7128>が大幅高。21日の取引終了後、160万株(自己株式を除く発行済み株数の6.3%)、または40億円を上限とする自社株買いを実施すると発表。これが好感された。期間は8月22日から来年8月21日まで。株主還元強化のほか、従業員向けインセンティブ制度の導入やM&A・資本提携の一部として活用することが目的。取得方法は市場買い付けと東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買い付け。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、フルマルHDは22日に買い付けを実施。買い付け数量160万株に対し、約定数量は113万3500株だった。
■アイネス <9742> 1,626円 +115 円 (+7.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
アイネス<9742>が急伸し、年初来高値を更新した。21日の取引終了後に提出された大量保有報告書で、旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメントの保有割合が6.30%となり、新たに5%を上回ったことが判明した。これを受け、アイネス株に対して思惑的な買いが入ったようだ。報告義務発生日は8月15日。保有目的は純投資と、一部は投資一任契約に基づく顧客資産運用としている。
■ハイデイ日高 <7611> 2,706円 +129 円 (+5.0%) 本日終値
ハイデイ日高<7611>が続急伸、年初来高値を更新した。21日の取引終了後、24年2月期の単独業績予想について、売上高を440億円から470億円(前期比23.1%増)へ、営業利益を30億円から41億5000万円(同6.7倍)へ、純利益を18億5000万円から29億円(同90.9%増)へ上方修正したことが好感された。3月1日に「日高屋」業態で実施した価格改定後も来店客数が増加し、利用単価も上昇していることが要因。また、コロナ禍で短縮した営業時間の延長に取り組んだことや、創業50周年記念感謝祭や生ビール祭などの販売促進策を実施していることなども寄与する。更に、タッチパネル式オーダーシステムの拡充などのDXの推進や人員の適正配置による店舗運営の効率化・生産性の向上を図っていることも奏功する見通しだ。
■さくらインターネット <3778> 1,239円 +57 円 (+4.8%) 本日終値
さくらインターネット<3778>は7連騰、ここ日経平均が軟調地合いとなるなかで同社株の堅調展開が目立つ。同社は独立系のデータセンター大手でクラウド事業に注力している。21日取引終了後、GPUクラウドサービスへ今期に32億円、来期に78億5000万円の追加投資を行うことを発表した。投資額の半分を政府が支援する予定で、国策の流れに乗ることも株価を強く刺激している。株式需給面では外資系証券経由の貸株調達による空売りの買い戻しが作用して株価に浮揚力を与えているもようだ。
■アドバンテスト <6857> 19,330円 +850 円 (+4.6%) 本日終値
アドバンテスト<6857>が大幅高、今月4日以来となるザラ場1万9000円台を回復してきた。同社は半導体検査装置のトップメーカーで足もとの業績は低調ながら来期以降の業績回復に期待がかかっている。今週は23日に米エヌビディア<NVDA>の5~7月期決算発表を控えているが、生成AI市場の急拡大を背景に抜群の適性を持つGPU(画像処理半導体)の売り上げが大幅に伸びるとみられている。エヌビディアは成長期待が強く、米国の証券系アナリストからも時価を大幅に上回る強気の目標株価設定が相次いでいる状況だ。このエヌビディアのGPU向け検査装置でアドテストは圧倒的シェアを有していることが買いの背景にある。まだ、同じく半導体切断装置を手掛けるディスコ<6146>もエヌビディア関連の有力株として買いが続いている。
■キッツ <6498> 1,000円 +33 円 (+3.4%) 本日終値
キッツ<6498>が堅調。大和証券が21日、キッツの株式レーティングを「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げた。株価の調整で割安感が強まったと判断した。石油化学向けは米州を中心に高機能化学品分野が堅調で、製薬企業向けも機能性化学向けで成長が続くなど、バルブ事業トータルでみれば増収トレンドの継続が期待できると指摘する。目標株価は1200円で据え置いた。
■三菱UFJ <8306> 1,128.5円 +35 円 (+3.2%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が3日ぶりに反発。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>が買われ、東証の業種別指数の上昇率で銀行業はトップとなっている。21日の米国債券市場で長期金利の指標となる10年債利回りが一時4.35%に乗せ、2007年以来の高水準をつけた。これを受け、22日の円債市場にも長期金利に上昇圧力が掛かっており、銀行株に対しては利ザヤ改善を期待した買いを集める方向に作用した。直近の堅調な米景気指標を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が広がっているほか、24日に始まる米カンザスシティー連銀主催の「ジャクソンホール会議」において、パウエル議長のタカ派的な発言を警戒する向きもある。米国時間21日にはS&Pグローバル・レーティングによる米銀5行の格下げが伝わったが、日本の銀行株への影響は限定的なものとなっている。
■ナカニシ <7716> 3,480円 +75 円 (+2.2%) 本日終値
ナカニシ<7716>が続伸。21日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、売上高を566億3800万円から631億6400万円(前期比29.8%増)へ、営業利益を159億7200万円から166億1800万円(同8.0%増)へ、純利益を138億4200万円から138億9400万円(同11.4%増)へ上方修正したことが好感された。デンタルチェアメーカーで持ち分法適用関連会社である米DCIインターナショナル社を完全子会社化するのに伴い、10月からDCI社の業績を連結業績に統合することが要因としている。
■日本ライフライン <7575> 1,089円 +23 円 (+2.2%) 本日終値
日本ライフライン<7575>が続伸。21日の取引終了後、自社製品であるオープンステントグラフト(「Frozenix」シリーズ)の新たなラインアップを販売開始すると発表。これが材料視された。
■NECネッツエスアイ <1973> 1,920円 +31 円 (+1.6%) 本日終値
NECネッツエスアイ<1973>が続伸。午前10時ごろ、自治体の補助金・助成金活用に関わる業務をサブスク型で提供する「事業者申請支援サービス」の利用受け付けを開始すると発表しており、好材料視された。同サービスは、自治体の行政事務手続きをオンライン化するサービス群の第1弾として提供するもので、事業者からの補助金・助成金申請に関わる業務をオンライン化するとともに、自治体内の決裁フロー、決済連携などをシームレスに電子化・自動化するもの。同社は今後、基幹20業務以外の各種住民サービス、事業者サービスへと同サービスの適用範囲を拡大するとしており、同サービスを含む自治体DX関連事業で23年度に受注100億円を目指す方針だ。
株探ニュース