米国債利回りの急上昇に日銀と日本の投資家の影

市況
2023年8月24日 2時49分

きょうは米国債利回りが急低下しており、米株式市場もIT・ハイテク株を中心に買い戻しが膨らんでいる。ただ、米国債利回りは10年債が一時4.36%と2007年以来16年ぶり高水準まで上昇するなど、米国債の売り(利回り上昇)が活発化している。

ここまで利回りが上昇するということは、どこかの誰かが集中的に米国債を売っている証拠だという。総額1.1兆ドルを保有し、中国を抜いて米国債の外国人保有者トップである日本の投資家が売っていることも想定され、米10年債を売り、自国の10年債を買っている可能性もあるという。

本日の日本の10年債は0.66%まで上昇し、2014年以来の高水準となった。日銀は先日の決定会合でイールドカーブコントロール(YCC)の許容範囲を事実上拡大し、10年債で従来の上下0.5%の範囲から1.0%までの柔軟性を容認した。

日銀がイールドカーブの扉を開いたことで、日本の投資家は自分たちの裏庭に目を向け、ポートフォリオの配分を見直すようになったという。それでもの米国債に比べれば、日本国債の利回りは低水準ではあるが、為替リスクを嫌う日本の投資家にとっては、それでも居心地が良いと見ている可能性もあるという。

一部からは、間接的に日銀が米国利回り急上昇に大きく貢献しているとの指摘も出ている。日本の投資家の行動が短期的に、世界の長期金利をさらに約0.35%ポイント押し上げるとの見方も出ているようだ。

しかし、中期的には、世界的に景気後退への懸念が強まるにつれて、逆イールドが更に深まり、長期債利回りの上昇を抑えるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.