売り一巡後の底堅さを見極める/オープニングコメント
25日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。24日の米国市場はNYダウが373ドル安、ナスダックは257ポイント安だった。エヌビディアの決算評価から買いが先行して始まった。その後、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少するなど労働市場の強さが再確認されると、長期金利の上昇を警戒し下落に転じた。さらに、ボストン連銀のコリンズ総裁が追加利上げの可能性に言及すると下げを加速した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比530円安の31690円。円相場は1ドル145円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートになろう。エヌビディアは一時7%ほど上昇して相場をけん引する格好となったが、その後は上げ幅を縮めていた。ジャクソンホール会議で25日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えるなか、コリンズ総裁の発言をきっかけに利益確定の流れが強まっており、この影響から日経平均は前日のリバウンド部分を帳消しにすることになろう。
ただし、パウエルFRB議長の講演を前に神経質な相場展開は予想されていた。出来高も低水準で積極的な売買が手控えられていたため、エヌビディアの決算インパクトが帳消しになるものの、波乱含みの展開にはならないだろう。日経平均は前日まで4日続伸で800円超上昇していたこともあり、売り一巡後は次第に底堅さが意識されそうである。
パウエルFRB議長の講演を前に利益を確定する流れは強まるだろうが、仕掛け的な売りを強めてくる流れにはなりづらく、短期的な売り仕掛けの動きがあったとしても、オーバーウィークのポジションを避けると考えられ、早い段階でのショートカバーに向かわせやすいと考えられる。ハイテク株などは利食いの動きが強まろうが、エヌビディアはプラス圏をキープしていることもあり、押し目狙いのスタンスになりそうだ。また、外部要因の影響を避ける狙いから、内需系の一角には買いが入りやすいと考えられる。
《AK》