株価指数先物【寄り前】 短期的な押し目狙いのロングスタンス

市況
2023年8月29日 7時45分

大阪9月限ナイトセッション

日経225先物 32300 +130 (+0.40%)

TOPIX先物 2309.5 +11.0 (+0.47%)

シカゴ日経平均先物 32280 +110

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

28日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。25日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演で政策判断に踏み込んだ発言がなかったことから、追加利上げへの過度な警戒が和らぎ、米長期金利の上昇が一服するなかで買い優勢の展開となった。また、中国の市場活性化策を材料視したアジアや欧州市場の上昇も相場を支える格好となった。軍需用耳栓の品質問題に関連した訴訟で近く和解と報じられたスリーエム<MMM>が5%を超える上昇で、NYダウを牽引。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、資本財、テクノロジー・ハード・機器、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、公益事業、保険が小幅な下落となった。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比110円高の3万2280円だった。日経225先物(9月限)は日中比20円高の3万2190円で始まり、直後に付けた3万2110円を安値に緩やかなリバウンド基調を見せ、米国市場の取引開始後に3万2300円を回復。買い一巡後は3万2200円~3万2300円辺りの狭いレンジで推移し、終盤にかけて3万2320円まで買われ、3万2300円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まりそうだ。日経225先物は75日移動平均線(3万2190円)と25日線(3万2270円)辺りのレンジ推移を見せており、若干ながら25日線を上回ってきた。同線を明確に上放れてくると、ショートカバーを誘いやすく、8月14日に付けた戻り高値3万2810円(ナイトセッションを含む)を目先的なターゲットとしたトレンド形成が意識されてきそうだ。

そのため、まずはオプション権利行使価格の3万2250円から3万2500円のレンジ推移を想定しつつ、25日線を上回って推移するようだと、3万2375円から3万2875円辺りを意識したロング優勢の展開が見込まれる。ただし、米国の経済指標の結果を受けた金利動向の影響を受けやすいため、積極的な売買は手控えられそうである。リバウンドを狙った、短期的な押し目狙いのロングスタンスに向かわせよう。

VIX指数は15.08(前日は15.68)に低下し、25日を割り込み、若干ながら75日線を下回ってきた。直近の保ち合いレンジの下限レベルまで低下してきたことで、いったんはリバウンドが警戒されやすいが、75日線を下回ってきたことでリスク選好に向かわせやすいと考えられる。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.99倍に上昇した。先週末の大幅な低下に対する自律反発としては弱い動きではあったが、米国市場でアップル<AAPL>など大型テック株のほか、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株の一角が買われており、NTショートを巻き戻す動きは入りやすいだろう。

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