話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、アディッシュ、HOUSEI

注目
2023年8月29日 15時13分

■トヨタ自動車 <7203>  2,431.5円  -5 円 (-0.2%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が朝高後に下げに転じた。この日、同社が全国12の車両工場の稼働を停止していることが明らかとなったと、国内メディアが相次いで報じており、これを嫌気した売りが膨らんだようだ。部品の発注などを管理するシステムに不具合が発生しており、復旧のメドは立っていないという。同社を主要取引先とする部品メーカーの株価も軟調に推移しており、デンソー<6902>や豊田合成<7282>、東海理化電機製作所<6995>などが下落している。

■アディッシュ <7093>  1,487円  +300 円 (+25.3%) ストップ高   本日終値

アディッシュ<7093>がストップ高。同社はきょう、子会社のアディッシュプラスと、総務省請負事業「デジタル・シティズンシップの考え方を踏まえたICTリテラシーの向上に関する調査研究」を落札し、請負契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。この調査研究は、エースチャイルド(東京都港区)とコンソーシアムを組み「アディッシュ・エース・プラス コンソーシアム」の団体名で行う3社共同研究。同事業では「ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会」で議論された内容を踏まえ、全世代のICT活用に向けたリテラシー向上に向けた全体像の整理、リテラシーを優先して取得するべきセグメントに関する調査及びリテラシーを身につけるためのコンテンツの作成などを実施するとしている。

■HOUSEI <5035>  665円  +100 円 (+17.7%) ストップ高   本日終値

HOUSEI<5035>がストップ高まで買われた。同社は28日、米国のユニコーン企業であるウェブフローとパートナーシップ契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。ウェブフローは、ノーコードフロントエンドウェブ開発ソリューションの世界的リーダー。HOUSEIは今回の提携で、ウェブフローの先進的なノーコード技術の力を活用し、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目指すとしており、効率化、柔軟性、創造的自由を重視したデジタルソリューションを広く提供するとしている。

■日本製麻 <3306>  1,008円  +122 円 (+13.8%)  本日終値

日本製麻<3306>は急反発。28日に提出された変更報告書で、ゴーゴーカレーグループ(石川県金沢市)の保有株比率が16.84%から19.24%に上昇し、買い増ししたことが判明した。報告義務発生日は21日で、保有目的は、政策投資及び重要提案行為などをするため、としている。同社では21日にゴーゴーカレーグループの取締役会長を兼務していた宮森宏和氏が社長を解任されており、今後の展開が注目されている。

■ジーデップ・アドバンス <5885>  12,020円  +1,150 円 (+10.6%)  本日終値

ジーデップ・アドバンス<5885>が急騰。同社株は今年6月末に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄で、人工知能(AI)学習など高度な処理を可能とするハードウェア販売などを手掛けている。上場後まもない7月5日に1万8600円の高値をつけた後は調整局面に移行、今月17日には高値から58%水準を切り下げた7800円の安値をつけたが、そこをターニングポイントに戻り足に転じていた。そうしたなか、28日取引終了後に米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>の強力なユニバーサル データセンター プロセッサ「NVIDIA L40S」を搭載したオリジナルのサーバーモデルの受注を開始することを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。

■note <5243>  512円  +35 円 (+7.3%)  本日終値

note<5243>が3営業日ぶりに反発。同社はきょう、アドビ(東京都品川区)と連携して、画像生成AIを搭載したデザインツール「Adobe Express」で記事の見出し画像をつくる機能の追加に向け、取り組みを開始すると発表。この機能はパソコン版で年内のリリースを予定しており、これが材料視されたようだ。また、この日は横須賀市と人工知能(AI)を活用した全国の自治体のデジタル化事例が集まるポータルサイト「自治体AI活用マガジン」を開設したことも明らかにしている。

■大日光 <6635>  559円  +37 円 (+7.1%) 一時ストップ高   本日終値

大日光・エンジニアリング<6635>が一時ストップ高。同社は28日、2次電池パックの開発・製造を手掛ける台湾企業Joules Miles(JMS)社との間で包括的業務提携を締結したと発表。両社はクリーンエネルギー対応蓄電製品に関する技術開発、リチウムイオン電池のリユース生産に関する技術情報の共有のほか、航空宇宙や医療など新規分野における2次電池製品の技術協力などを中心に協業体制を強化していく。

■インテM <7072>  1,437円  +75 円 (+5.5%)  本日終値

インティメート・マージャー<7072>が後場に上げ幅を拡大した。29日、効率的で効果的な営業活動を支援するサービス「インテントアプローチ」をアイドマ・ホールディングス<7373>と共同開発し、9月4日から提供を始めると発表。インテMが保有する4億7000万のインテントデータと、アイドマHDが持つ170万社以上の法人データについて、生成AIを活用して連携。潜在的な顧客への早期アプローチやアプローチのタイミングの最適化を図り、成約率の向上につなげる。

■ステラファーマ <4888>  343円  +17 円 (+5.2%)  本日終値

ステラファーマ<4888>が3日続伸。午前10時ごろ、筑波大学とBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の医師主導治験に係る契約を締結したと発表しており、好材料視された。今回締結した契約は、初発膠芽腫を対象に新型高出力中性子線源を用いた加速器BNCT装置「iBNCT001」及びその治験薬であるSPM-011の第1相医師主導治験に関するもの。治験では、初発膠芽腫を対象とした安全性及び忍容性を検討するとしている。なお、同件による業績への影響は軽微としている。

■ヘリオス <4593>  248円  +11 円 (+4.6%)  本日終値

ヘリオス<4593>が急動意。再生医薬品のバイオベンチャーで、iPS細胞や体性幹細胞関連技術の活用で医薬開発を進めている。28日取引終了後、同社は体性幹細胞再生医薬品「HLCM051」の日本における急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とする治験に関する論文が学術雑誌「Stem Cell Research&Therapy」に掲載されたことを発表した。会社側ではこれを今後の新薬実用化に向けた新たな前進と捉えており、株式市場でも投資資金の食指を動かす形となっている。株価が200円台と低位で個人投資家の短期マネーが参戦しやすいほか、株式需給面では8月17日の急落が追い証回避の投げを誘発し、直近データで信用買い残が急減したことも上値を軽くしているようだ。

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