株価指数先物【寄り前】 直近戻り高値3万2810円が目先的なターゲット
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32430 +220 (+0.68%)
TOPIX先物 2316.0 +11.5 (+0.49%)
シカゴ日経平均先物 32420 +210
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。中国の国有銀行が既存の住宅ローンの大半について金利を引き下げるとの観測報道を受けて、買い優勢の展開。さらに、7月の米雇用動態調査(JOLT)で非農業部門の求人件数のほか、8月の米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が市場予想を下回ったことで、米追加利上げ観測が後退した。米長期金利が低下するなか、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>など大手テック株が買われたほか、エヌビディア<NVDA>、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体関連株の上昇が目立った。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、電気通信サービス、メディア、テクノロジー・ハード・機器が堅調。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比210円高の3万2420円だった。日経225先物(9月限)は日中比40円高の3万2250円で始まり、直後に付けた3万2140円を安値に持ち直し、3万2200円~3万2240円処での保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にロングが勢いを増し、中盤には3万2300円を回復。さらに終盤にかけてリバウンド基調が強まり、一時3万2450円まで上げ幅を広げており、3万2430円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。米国市場では大型テック株や半導体株の強さが目立っていたこともあり、指数インパクトの大きい値がさ株が牽引する流れから、日経平均型優位の展開が意識されそうだ。日経225先物はナイトセッションで心理的な抵抗ラインだった25日移動平均線(3万2260円)を明確に上放れてきたため、オプション権利行使価格の3万2250円~3万2500円辺りでのレンジ推移が意識されやすいだろう。
3万2500円水準での攻防から上放れをみせてくる局面では、ショートカバーを誘う流れに向かわせ、権利行使価格の3万2500円から3万2875円に切り上がることで、8月14日に付けた戻り高値3万2810円(ナイトセッションを含む)を目先のターゲットとしたトレンド形成が意識されてきそうだ。そのため、買い一巡後の底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応になりそうである。
今晩の米国では8月のADP雇用統計の発表が予定されており、結果を受けた米国市場の反応を確認したいとの見方もあるとみられ、商いが膨らみづらい面はある。来週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることから、積極的にポジションを傾けてくる動きも期待しづらいところである。ただし、レンジを切り上げてくることによってヘッジ対応の動きが強まりやすく、リバランスに伴うショートカバーが指数を押し上げる可能性はあろう。
VIX指数は14.45(前日は15.08)に低下した。終値で15.00を下回るのは8月14日以来となる。支持線として意識されていた75日線を明確に下回ってきたこともあり、リスク選好に傾きやすいと考えられる。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.97倍に低下した。スプレッド狙いの動きは限られていたが、節目の14.00倍を上回ってくるようだと、いったんはNTショートを巻き戻す流れに向かわせる可能性はありそうだ。
株探ニュース