前場に注目すべき3つのポイント~短期的な値幅取り狙いにとどまる~
31日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■短期的な値幅取り狙いにとどまる
■NPC、23/8上方修正 営業利益 9.41億円←6.58億円
■前場の注目材料:タクマ、ゴミ処理発電の遠隔操作を実運用、制御室無人化
■短期的な値幅取り狙いにとどまる
31日の日本株市場は、米株高を材料視するものの、引き続き買い一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。30日の米国市場はNYダウが37ドル高、ナスダックは75ポイント高だった。8月のADP雇用統計で雇用の伸びが予想以上に減速したほか、4-6月期国内総生産(GDP)改定値も予想外に下方修正されたため、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ終了期待が広がった。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比110円高の32390円。円相場は1ドル146円10銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで一時32200円まで売られたものの、中盤以降は買い戻しの動きが強まり、32410円と高値で終えている。25日、75日線を上回って終えていることもあり、下値の堅さは意識されやすいだろう。そのため、買い一巡後はこう着が強まる可能性はあるものの、売りを仕掛けてくる流れは限られ、押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。
米国では長期金利の低下を受けてハイテク株を買い戻す動きが続いているが、PCEコア価格指数や雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的にポジションを傾けてくる動きは期待しづらいところであろう。VIX指数は14.00を下回ってきたことからリスク選好に向かわせるものの、上値追いは慎重にさせそうだ。そのため、先物主導でのインデックスに絡んだ商いの影響を受けやすいほか、日中はハンセン指数などの動きをにらんだ短期的な物色が中心。
また、相場全体の商いは膨らみづらいことから、個人主体の中小型株についても活発な取引は限られそうである。そのため材料の出ている一部の銘柄に資金が集中しやすいほか、強いトレンドを形成している銘柄などでの短期的な値幅取り狙いにとどまりそうである。資金回転は速いことから、フットワークが求められそうだ。
■NPC、23/8上方修正 営業利益 9.41億円←6.58億円
NPC<6255>は2023年8月期業績予想の修正を発表。売上高は91.25億円から93.76億円、営業利益を6.58億円から9.41億円に上方修正した。予定していた案件をほぼ計画通り売上計上したが、部品の販売が想定よりも好調となり、売上高は予定をやや上回る見込み。利益面では、仕入コスト削減や製造工程と現地作業でのコスト削減などの原価低減を引き続き実現し、また部品の販売好調が続いたことから、予想より高い利益率を確保できる見込みとなった。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(32333.46、+106.49)
・NYダウは上昇(34890.24、+37.57)
・ナスダック総合指数は上昇(14019.31、+75.55)
・シカゴ日経先物は上昇(32390、大阪比+110)
・SOX指数は上昇(3643.92、+14.35)
・VIX指数は低下(13.88、-0.57)
・米原油先物は上昇(81.63、+0.47)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・タクマ<6013>ゴミ処理発電の遠隔操作を実運用、制御室無人化
・三井化学<4183>4社で水素・アンモニア供給網構築覚書、大阪の臨海工業地帯を拠点
・ダイヘン<6622>独溶接機大手を35億円で買収、欧州シェア拡大
・豊田合成<7282>積載荷物をAIで最適化、システム運用開始
・ソディック<6143>新型の大型形彫り放電加工機投入、加工時間45%短縮
・KDDI<9433>「スターリンク」・スマホ直接通信、KDDI、米スペースXと提携拡大
・東邦瓦斯<9533>東京ガスなどと米でeメタン製造・輸出プロで現地企業と提携
・ENEOS<5020>JX金属、米インテルと銅の資源循環推進、半導体材料で協力拡大
・洋インキHD<4634>車載リチウム電池材料増産、250億円超投資
・日本酸素HD<4091>大陽日酸、工業炉バーナーに水素燃料、NOx低減
・マイクロ波化学<9227>日本ゼオンと、合成ゴム製造を電化、マイクロ波利用
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 7月鉱工業生産速報値(前月比予想:-1.4%、6月:+2.4%)
・10:30 中村日銀審議委員あいさつ(午後会見予定)
<海外>
・10:30 中・8月製造業PMI(予想:49.2、7月:49.3)
・10:30 中・8月非製造業PMI(予想:51.2、7月:51.5)
《ST》