話題株ピックアップ【夕刊】(1):いちご、フタバ、牧野フ
■いちご <2337> 313円 +21 円 (+7.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
いちご<2337>が急伸。30日の取引終了後、自社株買いを発表しており、これを好感する買いが入った。1200万株(自己株式を除く発行済み株式数の2.65%)、30億円を上限としており、取得期間は9月1日から24年2月29日まで。同社の自社株買いは7期連続となる。
■フタバ産業 <7241> 688円 +43 円 (+6.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
フタバ産業<7241>の上値指向鮮明、4日続伸で新値街道を走っている。トヨタ系自動車部品会社で売上高の8割強をトヨタ自動車<7203>向けで占めている。トヨタの自動車生産回復が顕著となるなか、同社への追い風も強まっている状況だ。電気自動車(EV)シフトの流れにも早くから対応を進めており、アルミ製やステンレス製のバッテリー冷却プレートや、大型バッテリーケースなどバッテリー性能に貢献する製品開発を推進している。24年3月期営業利益は前期比43%増の110億円を見込むが、一段の増額修正の可能性が高いとみられている。PERが8倍台、更にPBRは0.5倍台と株価指標面から非常に割安感が強いことで、水準訂正をにらんだ継続的な買いが流入している。
■牧野フライス製作所 <6135> 6,970円 +380 円 (+5.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
牧野フライス製作所<6135>が大幅に4日続伸。株価は2007年8月以来、16年ぶりとなる7000円台に乗せた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は30日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価は6100円から9000円に見直した。今後は受注回復や挽回生産・価格転嫁による業績拡大が進むとみており、工作機械セクターのなかで相対的に割安な株価バリュエーションが修正される可能性が高い、とみている。同証券では24年3月期の連結営業利益を従来予想の157億円から198億円(会社計画132億6000万円)に見直したほか、25年3月期の同利益は247億円を見込んでいる。
■ABEJA <5574> 5,290円 +280 円 (+5.6%) 本日終値
ABEJA<5574>が急反発。30日の取引終了後、PwCコンサルティング(東京都千代田区)と、生成AIをはじめとした最新テクノロジーを活用した企業のDX推進支援に関する協業を開始したと発表しており、これを好感した買いが流入した。PwCコンサルティングのAI領域や豊富な業界の知見及びビジネス構築力と、ABEJAが10年以上にわたりAIの領域でビジネスを展開してきたノウハウ及びデジタルビジネスの立ち上げやDX推進支援の実績を相互に活用することで、より多くの企業を対象に生成AIの利活用を推進するのが狙い。今後、両社は連携して生成AIなどの活用を前提とした戦略立案、ビジネスプロセスの構築、オペレーションの運用などの一連のプロセスをワンストップで提供するとしている。
■寿スピリッツ <2222> 11,430円 +510 円 (+4.7%) 本日終値
寿スピリッツ<2222>が反発。岩井コスモ証券は30日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を1万2500円から1万4000円に引き上げた。菓子製造販売を手掛ける同社は、おいしさと品質にこだわったプレミアムギフトスイーツに特化して高成長を続けている。第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比2.7倍の30億5800万円と同期としての過去最高を更新した。インバウンドの更なる回復なども見込めるなか、24年3月期の同利益は116億7000万円(前期比17.3%増)の計画に対して、同証券では131億円を予想。「超絶ド成長元年!」と位置付ける今期の業績に上振れ期待が高まったことから、目標株価を引き上げている。
■テクマトリックス <3762> 1,643円 +53 円 (+3.3%) 本日終値
テクマトリックス<3762>が反発。30日の取引終了後、スクール・コミュニケーション・プラットフォーム+校務支援システム「ツムギノ」が、文部科学省の「次世代の校務デジタル化推進実証事業」に採択されたと発表しており、好材料視された。「次世代の校務デジタル化推進実証事業」は、校務支援システム各ベンダーにおける次世代の校務支援システムへのモデルチェンジを加速させることにより、各自治体における次期システム更改の際に、次世代の校務支援システムへの移行を円滑に進めることが目的。同社では実証事業を通じて、校務支援システムのクラウド化による校務DXを実現し、教職員の働き方改革と本来あるべき児童生徒と向き合う時間の創出に向けて、教育事業を推進するとしている。
■フジ日本精糖 <2114> 1,099円 +34 円 (+3.2%) 本日終値
フジ日本精糖<2114>が3日ぶりに反発。30日の取引終了後、ErThreee(東京都稲城市)から通信販売事業の一部を10月1日の予定で譲り受け、機能性食品素材を中心とした通信販売事業を新たな事業として開始すると発表したことが好感された。同社は現在、精糖事業や水溶性食物繊維「イヌリン」の製造販売を中心とした機能性素材事業を主力としているが、販売形態は業務用原料向けが主体となっており、一般消費者向け販売事業は一部限定で行っている状況にある。今回の事業譲受により、消費者マーケティング及び通信販売のノウハウを得ることになり、一般消費者向けという新たな市場の開拓が可能になるとしている。譲受価額は1300万円。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
■弁護士ドットコム <6027> 5,060円 +120 円 (+2.4%) 本日終値
弁護士ドットコム<6027>が反発。明和地所<8869>は30日取引終了後、不動産売買仲介の契約で、弁護士COMのWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」を導入したことを明らかにしており、これが株価を刺激したようだ。クラウドサインは、「紙と印鑑」を「クラウド」に置き換え、契約作業をパソコンだけで完結できるサービス。すべてがクラウド上で完結するため、契約締結のスピード化とコスト削減が実現できる。
■トヨタ自動車 <7203> 2,515円 +58.5 円 (+2.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が続伸歩調。5日移動平均線をサポートラインにジリ高歩調にある。同社が30日に発表した1~7月の生産実績は570万3171台で前年同期比12.5%増と2ケタ伸長をみせた。半導体不足が解消に向かっており、生産台数の回復につながっている。外国為替市場ではここドル高・円安方向に振れていることも追い風材料。同社の24年3月期の想定為替レートは1ドル=125円で実勢よりも20円以上も円高に設定されており、為替メリットの発現が期待される。中国景気の減速や日中関係の悪化など中国リスクは警戒されるものの、足もとのファンダメンタルズ改善が評価され見直し買いを誘導している。
■日本製紙 <3863> 1,303円 +22 円 (+1.7%) 本日終値
日本製紙<3863>がしっかり。30日の取引終了後、東京都北区に保有する固定資産(商業施設)の売却に伴い、24年3月期に固定資産売却益約254億円を特別利益として計上すると発表しており、好材料視された。なお、通期業績予想には織り込み済みという。
株探ニュース