セールスフォースが決算受け上昇 コスト削減が進展し市場に安心感=米国株個別
セールスフォース<CRM>が上昇。前日引け後に5-7月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。重要な指標である進行中の残存履行義務も予想を上回っている。また、ガイダンスも公表し、通期の1株利益および売上高の見通しを上方修正した。第3四半期の売上高と1株利益の見通しも予想を上回っている。
昨年のアクティビスト(物言う株主)による後押しを受けたコスト削減キャンペーンが進展していることを示唆した。ベニオフCEOは声明で「業績と下半期の見通しを踏まえ、通期の見通しを上方修正した」と述べた。
アナリストからは「忘れてしまったかもしれないが、年初には3名のアクティビストがいて、ベニオフCEOの職が危うくなったように見えた。しかし、彼はいま、2つの四半期で良い結果を出している」との指摘も出ていた。
同社は第2四半期に売上高の伸びを回復させるために、いくつかの施策を打った。6月には、年間約7200ドルの人工知能(AI)の新機能を発表し、7月には7年ぶりの値上げを実施。また、スラックとタブローをより多くの既存顧客に結びつけることに取り組んでいる。最近はミルハムCOOを昇進させて会社の大部分を監督するようにし、ミラノ最高収益責任者(CRO)も新たに指名した。
今回の決算は市場の減速への懸念を後退させ、安心感に繋がっている模様。
(5-7月・第2四半期)
・1株利益(調整後):2.12ドル(予想:1.90ドル)
・売上高:86.0億ドル(予想:85.3億ドル)
サブスクリプション&サポート:80.1億ドル(予想:79.1億ドル)
プロフェッショナルサービス・その他:5.97億ドル(予想:6.19億ドル)
・営業利益率:27.6%(予想:25.5%)
・残存履行義務:466億ドル(予想:462.5億ドル)
進行中:241億ドル(予想:236.6億ドル)
非進行中:225億ドル(予想:221.3億ドル)
・FCF:6.30億ドル(予想:4.45億ドル)
(8-10月・第3四半期見通し)
・1株利益(調整後):2.05~2.06ドル(予想:1.84ル)
・売上高:87.0~87.2億ドル(予想:86.6億ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):8.04~8.06ドル(従来:7.41~7.43ドル)(予想:7.43ドル)
・売上高:347~348億ドル(従来:345~347億ドル)(予想:346.6億ドル)
(NY時間09:35)
セールスフォース<CRM> 226.50(+11.46 +5.33%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美