マグニフィセント・セブンに慎重になる中、アナリストが選ぶ質の高い優良企業とは?=米国株個別
資産運用会社のアナリストは銘柄選びにおいて、トレンドを追うことを避けていると述べたうえで、投資家はマグニフィセント・セブンの先を見る必要があると考えていると述べた。
マグニフィセント・セブンとは、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン<AMZN>、アルファベット<GOOG>、メタ・プラットフォームズ<META>といったGAFAMに、テスラ<TSLA>、エヌビディア<NVDA>を加えた巨大IT・ハイテク7社。
同アナリストは非常に具体的な質の定義でもって、世界中の優良企業を探しているという。それは、素晴らしいエコノミック・モートを持ち、参入障壁が非常に高く、フリーキャッシュフロー(FCF)を長期的に成長させる能力を持つ企業だという。資本収益率が高く、負債が少なく、多額のFCFを生み出す持続可能な競争優位性を持つ企業がそれに当たる。その中でも特に、FCF利回りは最も重要な指標で、同アナリストが選ぶ企業は、売上高に占める資本支出の割合が低い傾向があるという。
ただ、そのような優良企業に対してでさえも、過剰に投資をしないように心掛けることも重要だとも語った。
具体的に挙げている銘柄は以下の通り。
*ファイサーブ<FI>
同社は世界的な決済企業で、その多様性と経常収益で際立っているという。同社のサービスには、フィンテックと決済処理が含まれ、フィナンシャル・テクノロジー部門は成長がかなり緩やかだが、参入障壁は非常に高い。一旦、顧客が中核部分を取り込んでしまうと、そこから離れるのは非常に難しく、またリスキーだという。そのため、顧客は非常に粘着性があり、3%程度で成長している。また、同社は現金からカードへの転換という長期的な大きなトレンドを捉えており、インフレに伴い、消費者が商品やサービスにより多くの金額を支払うようになったため、支払額も増加していると指摘。
*ヤム・ブランズ<YUM>
同社はケンタッキー・フライドチキン(KFC)、タコベル、ピザハットなどのブランドを展開するレストラン・グループだが、素晴らしい企業だという。KFCは4万以上の店舗を持ち、同社は長期的に10万店舗まで拡大したいと考えていると言う。KFCのストーリーは、その店舗数の増加および拡大の機会にあるとし、その機会は巨大だという。完全なフランチャイズ・モデルなので、資本支出は非常に少ない。
*インテュイット<INTU>
米国のビジネス・ソフトウェア企業だが、マイクロソフト<MSFT>やSAPのような大手企業とは全く異なるタイプの市場をターゲットにしており、非常に急成長している市場でもあるという。同社は非常に特殊な税務・会計ソフトを販売しており、その顧客層は中堅・中小企業。数百万ドル、数十億ドルの時価総額を持つような超大企業には、SAPのような大規模な企業資源計画ソフトウェアがある。しかし、それは中規模の企業には適用できない。
*インターコンチネンタル取引所<ICE>
この取引所運営会社は恐ろしい。取引所部門の膨大なデータを活用し、データ分析サービスを強化している。また、住宅ローンのサイン・テクノロジー・サービスも行っており、実にエキサイティングだという。特に住宅ローン・テクノロジーは本当にエキサイティングだとしている。
(NY時間11:36)
ファイサーブ<FI> 122.00(-0.59 -0.48%)
ヤム・ブランズ<YUM> 130.28(+0.18 +0.14%)
インテュイット<INTU> 535.75(-4.83 -0.89%)
インターコンチネンタル<ICE> 117.89(-0.02 -0.01%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美