株価指数先物【寄り前】 米雇用統計を無難に通過し、日経平均型の出遅れ修正へ
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32760 +60 (+0.18%)
TOPIX先物 2355.5 +9.0 (+0.38%)
シカゴ日経平均先物 32760 +60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。8月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比18万7000人増加し、市場予想(16.5万人増程度)を上回った。ただし、6月と7月の雇用者数が下方修正されたほか、失業率は3.8%上昇と予想(同3.6%程度)を上回った。雇用統計の結果を受けて、金融引き締め長期化への過度な警戒が和らぎ、NYダウは一時250ドルほど上げ幅を広げる場面も見られた。
その後、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁が講演で「労働市場は均衡化の兆候が出てきたが、なお堅調な状態を維持している」との発言が伝わり、金融引き締めへの警戒が再燃した。米長期金利が上昇したことでNYダウは上げ幅を縮め、ナスダックは小幅ながら6営業日ぶりに下落した。また、週明け4日のレイバー・デーの祝日を控えて薄商いとなったことも、上値を抑える一因となった。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比60円高の3万2760円だった。日経225先物(9月限)は日中比20円安の3万2680円で始まり、その後は3万2660円から3万2740円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に3万2610円から3万2770円と若干値幅が出た場面も見られたが、概ね3万2700円を挟んだレンジで推移するなか、3万2760円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになりそうだ。8月の米ISM製造業景況感指数は47.6と市場予想を上回り、7月(46.4)から改善したことも米国市場の重荷となった。ただし、米雇用統計を無難に通過したことで、買い安心感につながりそうだ。4日の米国市場は祝日となることで海外勢の商いは細るため、こう着感の強い展開が見込まれるものの、ショートは仕掛けづらい需給状況と考えられる。
また、週末には6月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている。基本的には限月交代に伴うロールオーバーが中心になろうが、先週のリバウンドによってオプション権利行使価格が切り上がってきており、ヘッジ対応に伴うショートカバーは入りやすい。まずは権利行使価格の3万2500円~3万2750円のレンジを想定するが、ボリンジャーバンドの+1σが3万2720円に位置しているため、レンジ上限での推移が継続するようだと、3万2750円~3万3000円のレンジに切り上がる可能性はあり、押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
VIX指数は13.09に低下した。6営業日連続で低下しており、7月下旬以来の13.00割れが意識されてきた。VIXの上昇を想定したショートカバーが強まってくる可能性がありそうだ。なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.93倍に低下した。先週はTOPIXがバブル崩壊後の戻り高値を更新したこともあり、相対的に日経平均型の出遅れ感が意識されてくる可能性はある。メジャーSQ通過後を想定したNTロングへの転換も意識しておきたいところである。
株探ニュース