話題株ピックアップ【夕刊】(2):エスケーエレ、三和HD、中国電
■エスケーエレ <6677> 3,285円 +110 円 (+3.5%) 本日終値
エスケーエレクトロニクス<6677>がマドを開けて上昇加速、連日で2006年以来約17年ぶりの高値を更新し一時170円高の3345円まで駆け上がる場面があった。9月期末を控え、9月末に配当を実施する3月期決算企業および9月期決算企業に対する権利取りの動きが活発化している。そのなか9月期決算の同社は期末一括配当で、前期実績比80円増配となる144円を計画しており、マーケットの視線を浴びている。配当利回りは前週末終値換算で4.5%を超えていた。また、収益成長力の高さも注目されている。第6世代用フォトマスクの売り上げが好調に伸び営業利益は前期比21%増の46億円を見込む。依然としてPER11倍台と割安感がある。
■三和ホールディングス <5929> 2,269円 +73.5 円 (+3.4%) 本日終値
三和ホールディングス<5929>は5日ぶりに反発した。大和証券が前週末8日の取引終了後、三和HDの目標株価を2000円から2500円に引き上げた。レーティングは「2(アウトパフォーム)」を継続する。米州で販売価格の下落が業績予想の前提となっていたが、同社製品の価格はほとんど下落していないもようだと指摘。少なくとも7~9月期までは現状の価格を維持できる公算が大きいとみる。更に、米州では非住宅分野で工場向けを中心に堅調に推移しているとの見方も示している。同証券は三和HDの24年3月期営業利益予想を485億円から570億円に見直した。
■中国電力 <9504> 967.8円 +18.1 円 (+1.9%) 本日終値
中国電力<9504>が後場に上げ幅を拡大した。この日、島根原発2号機に関し、2024年8月に再稼働する見通しを発表した。来期の収益改善効果を期待した買いが集まったようだ。同社は原子力規制委員会に、営業運転再開に向けた使用前確認申請書を提出した。24年8月の再稼働後、同年9月に営業運転を再開する方針。23年度の業績に与える影響はないという。
■東洋炭素 <5310> 5,720円 +100 円 (+1.8%) 本日終値
東洋炭素<5310>が6日ぶりに反発した。SMBC日興証券が前週末8日、東洋炭素の投資評価を「2」から「1」に引き上げた。目標株価も5300円から7600円に増額している。来期にかけて懸念材料と考えられていたシリコンウエハーの需要減速の影響に関し、シリコンウエハーメーカーの生産能力拡張の継続によってカバーされる確度が高まったと判断。半導体関連製品の業績貢献度も一層高まるとみる。同証券は東洋炭素の24年12月期営業利益予想をこれまでの94億円から101億円に見直した。
■オハラ <5218> 1,289円 -97 円 (-7.0%) 本日終値
オハラ<5218>が大幅に4日続落した。前週末8日の取引終了後、23年10月期第3四半期累計(22年11月~23年7月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益の見通しをこれまでの22億円から19億円(前期比10.2%減)に見直しており、嫌気されたようだ。今期の売上高の見通しは据え置いた。光学ガラス市場での在庫増加に伴う生産調整や、エレクトロニクス事業における研究開発費の追加計上の影響を業績予想に反映した。
■ペプチドリーム <4587> 1,670円 -79 円 (-4.5%) 本日終値
ペプチドリーム<4587>が3日続落し、年初来安値を更新した。前週末8日の取引終了後、富士フイルムホールディングス<4901>傘下の富士フイルム富山化学から取得した放射性医薬品事業に関し、富士フイルムに対して条件付対価として40億円の支払いが確定したと発表。費用発生の発表に反応した売りが出たようだ。24年4月までに、脳内アミロイドベータプラーク可視化を行うPET診断薬であるアミヴィッドに関して軽度認知障害への適応拡大が日本国内で承認された場合、40億円の条件付対価が発生することとなっていた。ペプドリの23年12月期の業績予想にはすでに織り込まれているという。
■住友不動産 <8830> 3,965円 -144 円 (-3.5%) 本日終値
住友不動産<8830>や三井不動産<8801>、三菱地所<8802>など不動産株に売りが膨んだ。東証の業種別指数で「不動産業」は下落率トップとなっている。読売新聞電子版が9日、日本銀行の植田和男総裁が単独インタビューに応じ、短期金利をマイナス0.1%とするマイナス金利政策の解除のタイミングについて、「経済・物価情勢が上振れした場合、いろいろな手段について選択肢はある」と回答したと伝えている。これを受け、市場ではマイナス金利政策の早期解除観測が台頭。金利上昇が業績にネガティブな影響をもたらすとみられている不動産株の重荷となったようだ。
■レーザーテック <6920> 21,310円 -720 円 (-3.3%) 本日終値
レーザーテック<6920>が売買代金トップのなかも売りが優勢で、株価は下値模索を継続している、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連は総じて安い。米国では長期金利上昇に対する警戒感が再燃しており、半導体セクターには向かい風となっている。前週末はシンボルストックのエヌビディア<NVDA>が3日続落するなど変調で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)もこれに追随して3日続落となった。東京市場にも半導体セクターの軟調地合いが波及している。東京市場ではその売買代金の厚みから半導体関連のシンボルストックに位置付けられるレーザーテクだが、目先75日移動平均線近辺で売り買いを交錯させており、同移動平均線を足場に戻りに転じられるかが注目される。
株探ニュース