オラクルが決算受け大幅安 クラウドの伸び鈍化を嫌気=米国株個別
オラクル<ORCL>が大幅安。前日引け後に6-8月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高は予想範囲内に留まった。ただ、株価は冴えない反応。クラウドの伸びが鈍化したことを嫌気している模様。クラウド・コンピューティングにおける同社の拡大努力に対する熱意は冷めた。
クラウドの売上高は30%増の46億ドルだった。そのうち15億ドルはインターネット経由のコンピューティング・パワーとストレージのレンタルによるもので、31億ドルはアプリケーションによるものだった。第4四半期のクラウドの売上高の伸びは54%増だった。
同社はアマゾン<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>、アルファベット<GOOG>といった競争相手に強力に対抗するためにクラウド・インフラストラクチャ事業の拡大に注力している。投資家たちは、人工知能(AI)の需要が急増することで、同社が市場シェアを拡大できるのではないかと期待を強めていた。
アナリストは、同社の長期的見通しについては引き続き肯定的に見ているものの、今回の決算は事前の高い期待に応えるものではなかったと指摘している。
「今回の決算はクラウドへの市場の高い期待を下回った。このことは恐らく生成AIの需要が売上げに転じるタイミングと、広範な事業全体の成長の持続性に疑問を投げかけることになるだろう。そして、これらの不確実性は株価の勢いを失速させる可能性がある」と指摘している。
(6-8月・第1四半期)
・1株利益(調整後):1.19ドル(予想:1.15ドル)
・売上高:124.5億ドル(予想:124.7億ドル)
クラウドサービス/ライセンス:95.5億ドル(予想:94.3億ドル)
クラウドおよびオンプレミスのライセンス:8.09億ドル(予想:8.94億ドル)
ハードウエア:7.14億ドル(予想:7.43億ドル)
サービス:13.8億ドル(予想:14.0億ドル)
・営業利益(調整後):50.6億ドル(予想:50.2億ドル)
・営業利益率(調整後):41.0%(予想:40.2%)
・クラウド売上高:46億ドル
クラウド・インフラストラクチャ:15億ドル
クラウド・アプリケーション:31億ドル
(NY時間09:34)
オラクル<ORCL> 112.77(-13.94 -11.00%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美