NY株式:NYダウは70ドル安、CPI再加速もFRBの利上げ軌道変わらずとの見方
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は70.46ドル安の34,575.53ドル、ナスダックは39.97ポイント高の13,813.59で取引を終了した。
8月消費者物価指数(CPI)は予想を上回る伸びとなったが、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ軌道を大きく修正する内容ではないとの見方に寄り付き後、上昇。その後、長期金利も低下に転じたためハイテクが買われ、相場全体の上昇を後押しした。ダウは終盤にかけ景気悪化懸念などに下落に転じたもののナスダックはプラス圏を維持し終了。セクター別では小売りや自動車・自動車部品が上昇した一方で、テクノロジー・ハード機器が下落した。
銀行のシティグループ(C)はフレージャー最高経営責任者(CEO)が組織再編でCEO直轄の5部門に分割しそれぞれ責任者を置く計画に伴い人員削減を発表し、収益改善期待に上昇。ソフトウエアメーカーのアドビ(ADBE)は人口知能(AI)関連の需要増が継続すると好決算期待に買われた。自動車メーカーのフォード(F)、ゼネラルモーターズ(GM)はアナリストの投資判断引上げで上昇。バイオのモデルナ(MRNA)はがん治療や希少・潜在性疾患関連の新薬が売上高を押し上げると楽観的な見通しを示し、買われた。
航空会社のアメリカン(AAL)は燃料価格の上昇やパイロットなどとの労働条件合意による人件費増で第3四半期の見通しを引き下げたことが嫌気され下落。また、格安航空会社のスピリット(SAVE)もコスト上昇を理由に夏場の利益見通しを下方修正し、下落。動画配信のネットフリックス(NFLX)はカンファレンスにおいて、最高財務責任者(CFO)が利益率のピークには程遠いと悲観的な見通しを示し、売られた。携帯端末のアップル(AAPL)は中国が同社のアイフォーンを巡るセキュリティー問題認識を主張したことが警戒され、続落。
コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)はシュルツ氏が取締役会を退任するとの発表を受けて、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》