NY株式:NYダウは331ドル高、ソフトランディング期待が支援(14日)
米国株式市場は上昇。ダウ平均は331.58ドル高の34,907.11ドル、ナスダックは112.47ポイント高の13,926.05で取引を終了した。
中国人民銀行が景気底入れのため利下げを決定したほか8月小売売上高が予想を上回る伸びとなったためソフトランディング期待に寄り付き後、上昇。欧州中央銀行(ECB)が利上げサイクル終了を示唆したため中銀の金利ピーク観測が強まり、金利先高観の後退も相場を支援した。今年最大の英半導体設計アーム(ARM)上場なども投資家心理の改善につながり終日堅調に推移し、終盤にかけて上げ幅を拡大し終了。セクター別では不動産や銀行の上昇が目立った。
クルーズ船を運営するノルウェージャンクルーズライン(NCLH)やカーニバル(CCL)は需要増が見込まれるほかコロナによる悪影響が払しょくしたとアナリストが投資判断を引き上げ、それぞれ上昇。石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)や再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高を受けた収益増期待に買われた。
コンピューターメーカーのHP(HPQ)は著名投資家のバフェット氏が運営するバークシャー・ハサウエイによる保有株売却が明らかになり下落。自動車メーカーのフォード(F)は全米自動車労組(UAW)が3社一斉の的を絞ったストライキ入りする確率が高いとの見方を示し、警戒感から軟調推移。クレジットカード会社のビザ(VISA)やマスターカード(MA)は計画している手数料引き上げ計画を巡り、上院が計画を撤回するよう要請したとの報道などで、下落した。
ソフトバンクブループ傘下の英半導体設計アーム(ARM)はナスダック取引所に上場。公開価格50ドルを上回る56.10ドルで取引が開始された。
ソフトウエア会社のアドビ(ADBE)は取引終了後に四半期決算を発表。調整後の1株利益が予想を上回り時間外取り引きで上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》