話題株ピックアップ【夕刊】(1):イントループ、エニーカラー、サンバイオ
■INTLOOP <9556> 6,820円 +1,000 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値
INTLOOP<9556>がストップ高。14日の取引終了後に発表した24年7月期単独業績予想で、売上高233億8200万円(前期比31.2%増)、営業利益16億300万円(同45.0%増)、純利益10億7000万円(同34.8%増)と大幅増収増益を見込むことが好感された。プロフェッショナル人材ソリューションサービス、コンサルティングサービスで稼働人員の増加を見込む。なお、23年7月期決算は、売上高178億2300万円(前の期比35.8%増)、営業利益11億500万円(同39.4%増)、純利益7億9400万円(同53.6%増)だった。同時に、システム開発やIT人材サービス会社を傘下に持つディクスホールディングス(東京都港区)の株式の58.3%を9月29日の予定で取得し子会社化すると発表したことも好材料視された。グループの相互送客に加えて、アップストリームからダウンストリームにおける戦略的なケイパビリティを形成することで、付加価値の高い事業運営基盤の構築を図ることが狙い。なお、24年7月期業績予想には織り込み済みとしている。
■ANYCOLOR <5032> 3,875円 +420 円 (+12.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
ANYCOLOR<5032>は急騰。14日の取引終了後に5~7月期(第1四半期)決算を発表。売上高が前年同期比50.9%増の89億4700万円、営業利益が同90.5%増の40億4300万円と大幅増収増益で着地しており、これを好感した買いが集まった。Vチューバーグループ「にじさんじ」の所属Vチューバー数が増加。にじさんじオフィシャルストアなどのサービスを利用する際に必要なID数も大きく伸びた。通期の増収増益見通しに変更はない。
■サンバイオ <4592> 705円 +58 円 (+9.0%) 本日終値
サンバイオ<4592>が大幅反発した。14日の取引終了後に24年1月期第2四半期累計(2~7月)の連結決算を発表。最終損益は17億8700万円の赤字となった。前年同期(21億5400万円の赤字)から赤字幅は縮小。これまでの計画(23億4400万円の赤字)に対しても赤字幅を縮めており、株価を支援する材料となったようだ。営業損益は30億8400万円の赤字(前年同期は46億2100万円の赤字)となった。計画(23億9800万円の赤字)に対しては、営業赤字幅は拡大した。米国子会社で人員削減など合理化に伴う費用が発生。再生細胞薬「SB623」の慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認取得に向けた製造関連の費用もかさんだ。半面、円安の進行で子会社に対する貸付金や関連する債権で為替差益が発生。新株予約権戻入益の計上などもあって、最終赤字幅の縮小に寄与した。
■豊田自動織機 <6201> 12,430円 +930 円 (+8.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
豊田自動織機<6201>が大幅高で5日続伸し、連日で上場来高値を更新した。14日の取引時間中にアイシン<7259>が中期経営計画を公表し、政策保有株式をゼロにする目標を掲げた。トヨタ自動車<7203>を主要取引先とする大手サプライヤーの大胆な決断に対し、株式市場はポジティブサプライズと受け止めた。資本効率の向上につながる施策を、他のトヨタ関連の企業も強化するとの思惑が続き、豊田織への買いを誘発している。デンソー<6902>も買われ、ジェイテクト<6473>、豊田通商<8015>が堅調推移。フタバ産業<7241>、愛三工業<7283>も高い。
■カバー <5253> 2,732円 +188 円 (+7.4%) 本日終値
カバー<5253>が大幅続伸。14日の取引終了後にANYCOLOR<5032>が第1四半期(5~7月)決算を発表。営業利益が40億4300万円(前年同期比90.5%増)と大幅増益となっており、同業であるエニーカラーの好決算が刺激材料となったようだ。
■DDグループ <3073> 1,755円 +88 円 (+5.3%) 本日終値
DDグループ<3073>が続伸し、年初来高値を更新。同社は14日取引終了後、8月度の月次売上高を公表。既存店売上高は前年同月比43.2%増となり、伸び率が7月度の29.4%から拡大したことが好感されたようだ。既存店の客数が同30.4%増となったほか、客単価が同9.8%増となったことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同38.1%増となった。
■ビジョナル <4194> 7,700円 +380 円 (+5.2%) 本日終値
ビジョナル<4194>が続伸。14日の取引終了後に24年7月期業績予想を発表。売上高を前期比18.0%増の664億円、営業利益を同21.0%増の160億円としており、前期に続き成長路線を継続する見通しを示したことが好感された。企業のプロフェッショナル人材に対する需要の高まりを背景に、主力のビズリーチ事業が拡大すると予想。人事・採用支援システムを手掛けるHRMOS事業も大きく伸びると見込む。同時に発表した23年7月期決算は、売上高が前の期比28.0%増の562億7300万円、営業利益が同59.7%増の132億2500万円だった。あわせて、東証プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備を行う方針を明らかにした。今年中に申請を行うことを目標とするという。
■アイシン <7259> 5,729円 +277 円 (+5.1%) 本日終値
アイシン<7259>の新値追いが鮮烈となっている。14日の取引時間中に、中期経営計画の策定を発表。26年3月期までの経営目標を示すとともに、バッテリー式電気自動車(BEV)など成長領域への事業シフトの一環として、部品点数の大幅な削減につながる新技術「ギガキャスト」を導入することを明らかにした。更に、成長投資の資金を確保するため、将来的に政策保有株式をゼロとする方針を明示した。資本効率の向上に向けた取り組みへの評価も相まって、きょうも幅広い投資家の資金の流入が継続している。ギガキャストはテスラ<TSLA>がいち早く導入したことで知られ、トヨタ自動車<7203>もこの技術を導入した量産EVを市場に投入する方針を示している。アイシンは今回、「電池骨格・ギガキャスト」の戦略として、2030年度に売上高を2000億円に伸ばす目標を掲げた。また、政策保有株式の売却を含め、既存事業資産やグローバルの在庫の圧縮を進め、25年度までに総資産の10%(4000億円)を目標に、保有資産の圧縮を目指す。
■アクシージア <4936> 1,207円 +48 円 (+4.1%) 本日終値
アクシージア<4936>が大幅高。14日の取引終了後、23年7月期の連結決算とともに、24年7月期の業績予想を開示した。今期の最終利益は前期比22.9%増の16億3500万円を見込む。前期に続き過去最高益を更新する計画を示したほか、年間配当予想は同6円増配の20円を予定しており、これらを好感した買いが集まった。今期の売上高は同14.6%増の130億円となる見通し。化粧品の製造・販売を手掛ける同社は、中国のEC事業の拡大を軸としつつ、中国以外の地域への展開を強化する方針。売上高広告宣伝費率については23%前後まで引き上げるなど投資を強化する一方で、原価低減も進め収益性の向上につなげる。また、同社は26年7月期に売上高175億円、営業利益33億5000万円(24年7月期見通しは24億円)に伸ばす目標も掲げた。
■UACJ <5741> 3,265円 +115 円 (+3.7%) 本日終値
UACJ<5741>やDOWAホールディングス<5714>、三菱マテリアル<5711>など非鉄株が堅調に推移。14日のロンドン金属取引所(LME)で銅相場は中国での景気刺激策による効果への期待を背景に上昇。更に15日に発表された8月の中国鉱工業生産指数や小売売上高は堅調な内容となり、足もとで中国経済の減速懸念が後退しつつある。非鉄株に対しては、銅相場の更なる回復による業績への好影響を期待した買いが入ったようだ。
株探ニュース