来週の株式相場に向けて=外国人動向に熱視線、金融庁「ジャパンウィークス」に関心も
15日の東京市場では、日経平均株価が前日比364円高と大幅続伸。一時3万3600円台まで上昇し、7月3日のバブル後高値(3万3753円)に迫る場面があった。TOPIXはすでに高値を更新しているだけに、日経平均の高値抜けは「時間の問題だろう」(市場関係者)との声が出ている。
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など銀行株が大きく買われ、トヨタ自動車<7203>やホンダ<7267>が上場来高値を更新。日本製鉄<5401>や三菱重工業<7011>といった銘柄が大幅高に買われる状況は壮観であり、「海外投資家が積極買いを入れているようだ」(アナリスト)とみられている。
ただ、この日の後場に入り三菱UFJなどメガバンクが下落に転じた。これは日銀による早期のマイナス金利解除の観測を打ち消す内容の報道が流れたことが影響した様子だ。日銀の金融政策正常化に向けた観測を修正する意図もみえることから、来週21日から22日の日銀金融政策決定会合では「金融政策の変更の可能性は後退した」(同)という声もある。
また、19~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利は据え置きとの見方が強いが、同時に発表されるドットチャートに市場の関心は集まっている。来週はFOMCと日銀会合が2大イベントだが、一時的な調整はあっても相場の上昇基調は続くとみられている。
海外投資家を巡るイベントとしては、今月25~10月6日に金融庁が開催する「Japan Weeks(ジャパンウィークス)」も関心を集めている。国際金融センターの実現に向け、海外投資家や資産運用会社を集中的に日本に招待する。金融庁としては初の試みで、岸田文雄首相も参加する見込みであり、これを機に海外投資家の日本株買いが一段と活発化することが期待されている。
上記以外のイベントでは、海外では19日に米8月住宅着工件数、21日に米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、22日に米9月製造業PMIが発表される。国内では18日は敬老の日で休場。20日に8月訪日外客数、22日に8月消費者物価指数(CPI)が公表される。20日にツルハホールディングス<3391>の決算発表が予定されている。20日にインテグラル<5842>、21日に揚羽<9330>、22日に笹徳印刷<3958>、ファーストアカウンティング<5588>が新規上場(IPO)する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万3000~3万3900円前後。(岡里英幸)