富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整十分、上放れて過去最高値を指向へ」
◆東京市場は適度にスピード調整を挟みながら強い展開を見せている。日経平均株価は9月11日まで3日続落して3万2391円まで調整したが、75日移動平均線を下支えに切り返して14日高値の3万3244円まで戻した(本稿執筆時点)。チャートでは6月と7月にダブルトップを打った3万3700円台から上値を切り下げる調整局面を脱し切れていないが、8月18日のお盆安値(3万1275円)からは着実な戻り歩調を描いている。
◆ダブルトップ後に付けた8月1日の戻り高値3万3488円を抜くと、週足チャートは2カ月半の調整踊り場を上放れて二段上げへ大きく動き出すことが想定される。14日にTOPIX(東証株価指数)は1990年7月以来33年ぶりとなる2400ポイント台に乗せており、日経平均株価が踊り場を上放れる可能性は十分にある。
◆もちろん、一本調子で上昇が続くとは限らない。15日に米国のメジャーSQ(クアドルプル・ウィッチング:株価指数先物、株価指数オプション、個別株先物、個別株オプション取引の清算日)、19-20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、そして21日から日銀金融政策決定会合が予定されており、まだ乱高下する場面があることも想定しておく。
◆だが、脱デフレを背景に「資産運用立国」に向けて旗色を鮮明にする東京市場に対し、海外から運用マネーが流入しやすくなっている。日経平均株価が8月1日高値を抜くと1989年の史上最高値3万8957円を目指して上昇を加速させてもおかしくない。欧米株に比べて出遅れていた日本株がいよいよ最高値を目指す――そんな相場をイメージしながら押し目買いで対応したい。
(9月14日 記、次回更新は9月23日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース