伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 9月18日版
日経平均は10月に大幅安が待っている公算も
1. NYダウは目先の動きで年末までのシナリオが絞られる
本年の NYダウは、年初にいったん上昇した後に下降を開始して、3月に(現時点での)年間の最安値となる押し目をつけて上昇を開始し、8月1日に(現時点での)年間の最高値をつけて上値を抑えられて下降を開始し、9月が上値重く推移しています。
1950年以降で7月、8月にその年のそれまでの最高値を更新して戻り高値をつけて、8月に下値を試す動きへ入り、9月が中旬まで上値重く推移している年をおおまかに見ていくと、9月から年末までの展開は「8月までにつける高値を積極的に上回る動きにならない」、「大幅な下げ場面が表れる場合、その下げ幅の大部分は10月に取りに行く」という動き方になっています。
年末頃、少なくとも11月末まで、8月1日の高値3万5679ドルを積極的に上回る展開になりにくく、大幅な下げ場面が表れる場合、その下げの大部分を10月に取りにいく展開になることが想定できます。
図1は、NYダウの日足と前述した動きから想定できる本年の年末までのシナリオです。
前述したことを考慮すると、目先の価格が上昇すると、8月の高値前後で上値を抑えられて、いったん価格が下げる動きが表れると考えられます。
一方で、目先の価格が下げても、3万3000ドル以下を積極的に目指す動きになりにくいと推測できるため、9月末から10月上旬頃、いったん値を戻す動きになる公算です。
10月に下げ幅が大きくならなければ、9月から10月につける安値付近が押し目になって、11月、12月が堅調に推移する可能性が出てきます。
その場合、11月が8月の高値以上へ積極的に上げる展開になりにくいので、価格が上昇してもジグザグに緩やかに推移する展開が考えられます。
NYダウは、週明け後の価格が続落すると、9月14日の高値3万4977ドルが強い抵抗になっていることを再確認して、目先の価格が8月25日の安値3万4029ドルを目指す動きになる公算です。
その場合、図中の緑かピンクの実線になると考えられます。
週明け後の価格が上昇する場合、再度上値を試す動きへ入る可能性を残します。その場合、今後は赤か青の実線になる可能性が出てきます。
図1 NYダウ日足と今後のシナリオ