売り一巡後は押し目狙いの流れに/オープニングコメント
21日の日本株市場は、米株安の流れから売りが先行するものの、売り一巡後の底堅さが意識されそうだ。20日の米国市場はNYダウが76ドル安、ナスダックは209ポイント安だった。利上げ終了への期待から買いが先行したが、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。ただし、インフレの目標達成までの道のりは長いとして、追加利上げの可能性を除外しなかった。これを受けて米長期金利が上昇し、終盤にかけて売られる展開だった。シカゴ日経225先物清算値(12月限)は、大阪比95円安の32795円。円相場は1ドル148円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで33000円辺りでの底堅い値動きを見せていたが、FOMC後に軟化し、32750円と安値で終えていた。朝方は裁定解消売りなどインデックスに絡んだ売買の影響を受けやすいだろう。昨日の日経平均は一時33000円を下回る場面が見られたものの、終値では33000円を辛うじて上回っていた。再び33000円を下回ってくることになろうが、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところである。
米国市場はFOMC通過後に売られる格好となったが、FOMC前には期待感から強い動きを見せていたこともあり、警戒感が強まったというよりは反動の動きをみせた格好である。FOMCについては予想通りの内容だったと考えられ、東京市場についても昨日は持ち高調整の動きが見られていたこともあり、売り一巡後は押し目狙いの流れに向かわせそうだ。
昨日は値がさハイテク株の一角が買われた半面、セクターでは鉱業、石油・石炭製品、電力・ガス、その他製品、繊維、パルプ・紙、輸送用機器の下げが目立っていた。リバランスの動きだったと考えられ、FOMC通過で巻き戻す動きが意識されそうだ。また、次は日銀の金融政策決定会合に関心が集まることで積極的な売買は手控えられやすいなか、バリュー株への物色が意識されやすいだろう。
《AK》