株価指数先物【寄り前】 日銀会合後の荒い値動きには注意
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32000 -410 (-1.26%)
TOPIX先物 2338.5 -24.5 (-1.03%)
シカゴ日経平均先物先物 32030 -380
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利は据え置かれたが、年内1回の追加利上げ余地が残されたほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で、追加利上げの可能性を否定しなかったことから、改めて金融引き締めが長期化するとの見方が広がった。
また、米新規失業保険申請件数は前週比2万件減の20万1000件となり、1月以来の水準に減少したことも、金融引き締め長期化観測を強める一因となった。これを受けて米長期金利が上昇し、大型テック株や半導体株の一角が売られた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、不動産、小売、耐久消費財・アパレル、自動車・同部品、消費者サービスの弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比380円安の3万2030円だった。日経225先物(12月限)は日中比変わらずの3万2410円で始まり、直後に付けた3万2430円を高値に軟化すると、米国市場の取引開始時には3万2200円を割り込んだ。売り一巡後は3万2190円~3万2260円辺りで下げ渋る場面も見られたが、終盤にかけて下へのバイアスが強まり、3万2000円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の相場展開になりそうだ。前日の日中取引では400円を超える下落で75日移動平均線水準まで下落したが、ナイトセッションでサポートとはならず、開始直後には25日線も明確に下放れる格好だった。日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなか、政策変更への思惑から持ち高調整に伴うリバランスの動きが強まった面もあろう。
日経225先物は節目の3万2000円を割り込む可能性があり、いったんは売り一巡感も意識されそうである。ただし、下落ピッチの速さからヘッジ対応に伴うショートが入りやすい需給状況でもある。瞬間的には3万1760円辺りに位置するボリンジャーバンドの-1σまでの調整は想定しておく必要がありそうだ。
日銀会合の結果はランチタイムで判明するとみられるが、結果公表が遅くなるようだと、政策変更を予想した思惑的な動きが警戒される。また、結果判明の初動ではアルゴリズム発動による荒い値動きにも警戒しておきたいところだ。ショートカバーの動きが強まったとしても、25日、75日線辺りでは戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられ、オプション権利行使価格の3万1750円から3万2375円とのレンジを想定する。
VIX指数は17.54(前日は15.14)に上昇し、一気に200日線水準まで急伸した。8月半ばの上昇時には同線が抵抗線として機能していたこともあり、再び上値を抑えてくる可能性があるだろう。しかし、同線を明確に上放れてくるようだと、リスク回避姿勢に向かわせやすいと考えられ、慎重姿勢を強めそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.71倍に低下した。日銀会合では金融政策の現状維持が決定される見込みであるが、米国市場の弱い値動きもあって下向きのトレンドは続きそうである。
株探ニュース