伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 10月1日版
日経平均は10月中、戻せば売られる展開になる公算
1. NYダウは10月に3万3000ドル前後で押し目をつける展開に
図1は、 NYダウの日足です。9月29日は寄り付き値が大きく上放れて始まった後、28日の安値3万3473ドルを割る程度まで下げる動きを経過して、大陰線をつける展開になっています。
大陰線は「その時点での売り圧力の強さ」を示しますが、一方で「その時点で行けるところまで一気に下げる動きとなっている」と見ることもできます。
29日の動きをきっかけにして、目先の価格が再度勢いの強い下げの流れになるなら、週明け後は寄り付き値が下放れて始まって、そのまま9月27日の安値3万3306ドルを割れて、勢いの強い下げの流れの継続を示す展開になると考えられます。
一方で、週明け後の寄り付き値が上放れて始まるなら、目先、下げられるところまで下げて、値を戻す動きになるので、週明け後は上値を試す動きを経過する必要が出てきます。
週明け後の価格が上放れるなら、目先は29日に動いた範囲内(3万3407ドルから3万3893ドル)での保ち合いの動きへ入ると考えられます。
前回、NYダウは「9月14日以降の下げの流れを継続する格好で、10月が上旬から大きく下げる動きになるか、10月がジグザグに推移して下値堅さを確認する作業のどちらかになる」と述べました。
前者の展開になる場合、目先は9月14日以降の勢いの強い下げの流れを継続する格好で、一気に下げる動きになると考えられます。
弱気の展開になる場合、週明け後の寄り付き値が下放れて始まって一気に27日安値の3万3306ドルを割れる動きになる公算です。
10月1日、米国下院議会で24年度予算案の審議時間を稼ぐためのつなぎ予算案を可決したという報道がありました。
29日のNYダウの大陰線をつけるきっかけになった要因の1つが解消されたため、週明け後のNYダウは上放れて始まる可能性が出てきました。
週明け後の寄り付き値が上放れて始まるなら、その後の価格が下げても、10月は3万3000ドル前後で下値を支えられて、11月以降、年末へ向けた上昇の流れを作る公算です。
図1 NYダウの日足