話題株ピックアップ【夕刊】(1):さくらネット、アダストリア、ゼンショHD
■さくらインターネット <3778> 1,239円 +72 円 (+6.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
さくらインターネット<3778>が全般軟調地合いに抗して4日ぶりに切り返す展開。独立系のデータセンター大手だが、近年はクラウドサービス事業に経営の重心を移し売上高の過半を占める状況となっている。6月中旬に経済産業省からクラウド基盤の整備を目的とした「クラウドプログラム」の供給確保計画で認定を受け話題を集めた経緯があるが、2日の日経新聞電子版が、同社が「ガバメントクラウド(政府クラウド)」に参入する方針を固めたと報じ、これが改めてマーケットの視線を集める形となった。デジタル庁から認定を受け、24年度のサービス開始を目指す方針が伝わっており、国策に乗る同社の業容拡大に対する期待が買いを呼び込んだ。
■タカトリ <6338> 5,470円 +260 円 (+5.0%) 本日終値
タカトリ<6338>が急反発。2日の取引終了後、海外企業からパワー半導体向け新型大口径SiC材料切断加工装置の大口受注を獲得したと発表したことが好感されている。受注金額は約13億6600万円で、24年9月期に売り上げ計上する予定。なお、24年9月期業績予想は11月10日に発表予定としている。
■アダストリア <2685> 3,245円 +40 円 (+1.3%) 本日終値
アダストリア<2685>が5日続伸。岩井コスモ証券は2日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を3450円から3600円に引き上げた。同社はカジュアル衣料専門店を全国チェーン展開している。第2四半期(3~8月)の連結営業利益は前年同期比85.1%増の103億1100万円で着地。主力ブランドを中心に販売が好調に推移した。これを受け、同社では24年2月期の同利益予想を140億円から180億円(前期比56.3%増)に増額修正した。今期配当も従来予想の65円から80円に引き上げた。同証券では今期は182億円へ若干増額し着地すると予想。25年2月期の同利益は190億円を見込んでいる。コロナ禍をへて、顧客のライフスタイルが大きく変化するなか、同社はマルチブランド戦略の推進により多様化する需要をうまく取り込んでいることを評価している。
■ゼンショHD <7550> 6,499円 +77 円 (+1.2%) 本日終値
ゼンショーホールディングス<7550>が4日ぶりに反発している。2日に発表した9月度のすき家月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比16.6%増と31カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同9.6%増、客単価が同6.4%増といずれも伸長した。
■サイゼリヤ <7581> 4,870円 +50 円 (+1.0%) 本日終値
サイゼリヤ<7581>が6日ぶりに反発。2日の取引終了後に発表した9月度の月次報告で、既存店売上高が前年同月比21.7%増と23カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。客数が同21.0%増と引き続き高い伸びとなったことが牽引した。なお、全店売上高は同21.1%増だった。
■しまむら <8227> 15,060円 +145 円 (+1.0%) 本日終値
しまむら<8227>が底堅い。2日の取引終了後、24年2月期第2四半期累計(2月21日~8月20日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比5.1%増の3168億3800万円、営業利益は同4.3%増の301億7300万円となった。ともに計画を上回り、営業利益は減益予想から一転、増益で着地した。全体相場が軟調ななかで株価の下支え効果をもたらしたようだ。主力のしまむら事業では猛暑対応の商品をはじめ、アウター衣料、実用品が好調だった。生産国の比率見直しも、仕入れ原価の上昇抑制につながった。
■弁護士ドットコム <6027> 4,780円 +20 円 (+0.4%) 本日終値
弁護士ドットコム<6027>が反発。2日の取引終了後、判例データベース「判例秘書」などを提供するエル・アイ・シー(東京都港区)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、好材料視されている。弁護士COMでは、中長期的な企業価値の向上に向けて、あらゆるリーガルデータを学習させた日本初の法律特化の独自LLM(大規模言語モデル)「リーガルブレイン」の構築を重要な戦略の一つと位置づけており、今回の子会社化は「判例秘書」の判例データの獲得や弁護士向け事業の盤石化、リーガルブレイン構想による事業展開などのシナジーが期待できると判断したという。
■リクルート <6098> 4,605円 +15 円 (+0.3%) 本日終値
リクルートホールディングス<6098>が堅調。2日の取引終了後、自社株公開買い付け(TOB)の実施を発表した。TOPPANホールディングス<7911>がTOBに応募する。上位株主による市場への株式放出に伴う潜在的な需給悪化懸念が和らいだと受け止められたほか、政策保有株の圧縮への取り組みが進んだことへの評価もあって、株価の支えとなった。リクルートは1300万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.78%)を上限に、1株4148円で自社株TOBを実施する。買い付け価格の総額は最大約539億2400万円で、取得期間は10月3日から10月31日まで。TOPPANは保有するリクルート株2510万株のうち、同社の自社株TOBに対して1000万株を応募する。同時にリクルートは、円以外の待機資金の効率的な運用を目的に、アイルランドに子会社を設立することも発表した。
■瑞光 <6279> 1,123円 -106 円 (-8.6%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
瑞光<6279>が大幅反落した。2日の取引終了後、24年2月期連結業績予想の下方修正を発表した。最終利益の見通しを20億円から16億円(前期比40.0%減)に引き下げており、嫌気されたようだ。今期の売上高の見通しは280億円から220億円(同17.0%)に見直した。中国市場の景気低迷が懸念されるなか、衛生用品メーカーの設備投資意欲の回復が遅れ、同社の受注状況が想定を下回っており、売上高の計画達成が困難となった。半面、年間配当予想は20円で据え置いた。第2四半期累計(2月21日~8月20日)の連結決算は、売上高が前年同期比13.1%増の99億6400万円、最終利益が同62.8%減の2億3600万円となった。
■象印マホービン <7965> 1,650円 -153 円 (-8.5%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
象印マホービン<7965>は急反落。2日の取引終了後に23年11月期第3四半期累計(22年11月21日~23年8月20日)の決算を発表。売上高が前年同期比同水準の619億3800万円だった一方、営業利益が同8.1%減の42億300万円と減益で着地しており、これが嫌気されている。円安の影響で海外売上高の円換算額が増え、全体の売上高を支えた。一方、利益面では原材料価格の上昇や円安による輸入コスト増加に対する価格転嫁を進めたものの、販管費が増加し減益を余儀なくされた。
株探ニュース