3日の米国市場ダイジェスト:NYダウは430ドル安、金利上昇を警戒
■NY株式:NYダウは430ドル安、金利上昇を警戒
米国株式市場は大幅下落。ダウ平均は430.97ドル安の33,002.38ドル、ナスダックは248.31ポイント安の13,059.46で取引を終了した。
金利上昇を警戒した売りが続き、寄り付き後、下落。8月JOLT求人件数が減少予想に反して増加に転じたため強い労働市場を受けて連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切るとの観測が強まり、更なる売りに拍車がかかった。また、民主党議員の協力を仰ぎ11月中旬までのつなぎ予算を成立させ政府機関閉鎖回避にこぎつけたが共和党内の保守強硬派からの反発にあいマッカーシー下院議長が解任されるリスクが上昇し政局不安がさらなる売り材料になり終日軟調に推移。終盤にかけ、下げ幅を拡大し終了した。セクター別では小売り・ソフトウエア・サービスの下落が目立った。
コンピューターメーカーのHP(HPQ)やメガネメーカーのウォービー・パーカー(WRBY)はアナリストが投資判断を引上げ、それぞれ上昇。旅行情報・予約サイト運営のエアビーアンドビー(ABNB)は利益率が短期的にピークに達し収益の伸びが減速する可能性を指摘し、アナリストの投資判断引き下げで下落した。自動車メーカーのフォード(F)はストライキの影響で追加で従業員一時解雇計画を発表し、軟調。スパイスメーカーのマコーミック(MKC)は四半期決算で中国の売り上げが想定以上に弱く、純売上が予想を下回ったため売られた。
クリーブランド連銀のメスター総裁は、経済が堅調推移を維持した場合、11月連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを支持する可能性を明らかにした。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドルは一時150円台に上昇も円安是正目的の為替介入観測でドル反落
3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、150円16銭へ上昇後、147円43銭まで反落し、148円88銭で引けた。8月JOLT求人件数が減少基調を維持するとの予想に反し、7月から増加したため労働市場が底堅く、連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切るとの見方が強まり、長期金利上昇に伴うドル買いが加速。その後、150円超え付近から当局の円安是正介入警戒感が強まったほか、実施観測も広がり円の買戻しが加速した。
ユーロ・ドルは、1.0486ドルへ強含んだのち、1.0448ドルまで下落し、1.0468ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のエコノミスト、レーン氏がまだやる仕事があると追加利上げを示唆したため一時ユーロ買いが優勢となったが、米国の金利上昇に伴うドル買いに押された。ユーロ・円は、157円16銭上昇後、154円46銭まで下落。ポンド・ドルは、1.2102ドルへ上昇後、1.2054ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9244フランへ上昇後、0.9201フランまで反落。
■NY原油:強含みで89.23ドル、一時90ドル台を回復
NY原油先物11月限は強含み(NYMEX原油11月限終値:89.23 ↑0.41)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+0.41ドルの89.23ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは87.76ドル-90.27ドル。アジア市場で87.76ドルまで売られたが、ポジション調整的な売りはロンドン市場の序盤までに一巡し、米国市場の後半にかけて90ドル台前半まで戻した。ただ、米長期金利の上昇や株安を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に89ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 25.91ドル -0.79ドル(-2.96%)
モルガン・スタンレー(MS) 78.02ドル -2.39ドル(-2.97%)
ゴールドマン・サックス(GS)306.12ドル -12.38ドル(-3.89%)
インテル(INTC) 35.69ドル +0.23ドル(+0.65%)
アップル(AAPL) 172.40ドル -1.35ドル(-0.78%)
アルファベット(GOOG) 133.30ドル -1.87ドル(-1.38%)
メタ(META) 300.94ドル -5.88ドル(-1.92%)
キャタピラー(CAT) 268.97ドル -2.75ドル(-1.01%)
アルコア(AA) 27.65ドル -1.19ドル(-4.13%)
ウォルマート(WMT) 159.09ドル -1.01ドル(-0.63%)
《ST》