株価指数先物【寄り前】 8月安値割り込み、ヘッジ対応のショートが入りやすい(訂正)

市況
2023年10月4日 8時21分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 30700 -500 (-1.60%)

TOPIX先物 2247.0 -27.5 (-1.20%)

シカゴ日経平均先物 30750 -450

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

3日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。8月の米雇用動態調査(JOLT)で非農業部門の求人件数が961万件に増加した。前月からの減少が予想されていたこともあり、予想外の増加により米金融引き締め長期化への警戒が高まった。米長期金利は一時4.8%台に乗せる場面が見られたほか、アトランタ連銀のボスティック総裁が利上げに消極的ながら、長期にわたり高い金利水準を維持することに言及したことが嫌気された。S&P500業種別指数は公益事業、電気通信サービスのみが上昇した一方で、小売、消費者サービス、ソフトウエア・サービス、半導体・同製造装置、各種金融の下げが目立った。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比450円安の3万750円だった。日経225先物(12月限)は日中比10円安の3万1190円で始まり、その後は買い戻しにより3万1350円まで上昇する場面も見られた。買い一巡後は再びショート優勢となり、米国市場の取引開始直前に節目の3万1000円を割り込んだ。いったんは3万1160円辺りまで切り返す場面も見られたが、米国市場の弱い流れに連動する形で下へのバイアスが強まり、終盤にかけて一時3万0660円まで下げ幅を広げ、3万0700円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開となりそうだ。米国では予想を上回る経済指標の発表が続いており、連日で米連邦準備制度理事会(FRB)高官らによるタカ派的な発言が売りにつながっている。週末に米雇用統計の発表を控えていることもあり、米国睨みの展開が続くなか、持ち高調整のトレードが強まりそうだ。

日経225先物は、ナイトセッションで8月18日に付けた直近安値の3万1000円をあっさり割り込んだ。ボリンジャーバンドの-3σを下回ってきたことで売られ過ぎが意識されやすいものの、バンドは下向きで推移している。そのため、バンドに沿った調整によって、押し目待ち狙いのロングは手控えられよう。8月の直近安値を下回ったことからヘッジ対応のショートが入りやすく、これを受けた仕掛け的なショートも強まりそうだ。

これまでボリンジャーバンドの-3σを大きく下放れる動きがなかったこともあり、短期的なリバウンドを狙う展開はありそうだが、節目の3万円のほか、200日移動平均線が位置する2万9560円辺りが射程に入ってきたことは意識しておく必要があろう。オプション権利行使価格の3万500円から3万1000円のレンジ推移を想定する。

VIX指数は19.78(前日は17.61)に上昇し、一時20.48と5月24日以来の20.00台を付けた。週間形状では52週線を上回ってきており、リスク回避姿勢が強まりやすい。長期的なトレンドでは依然としてボトム圏に位置するが、終値で20.00を上回ってくるようだと、トレンド転換が意識されてきそうだ。

昨日のNT倍率は先物中心限月で13.71倍だった。前日からわずかに低下した格好だが、上値抵抗線として意識されている25日線に接近していたこともあり、想定されていた動きだろう。昨夕に9月の既存店売上高を発表したファーストリテイリング <9983> [東証P]がADR(米国預託証券)で3%ほど下落したことから、日経平均型の重荷となろう。ただし、昨日同様、バリュー株の持ち高調整の動きが強まる可能性もあるため、NTでのスプレッド狙いを難しくさせている。

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